梅雨明けが待たれる毎日でございます。
この日、みやこのじょう児童学園では6月の誕生会が行われました。
今回は未満児さんの誕生会の様子をお届けします。
いつもはランチルームで開催している未満児さんの誕生会ですが、6月は年に1回のお客様―兄弟児(弟や妹)とご家族の方―を招いての開催です。
ランチルームにみんな集まると、6月の誕生者のお友達がみんなの前にお顔を隠しながらやってきます。
「だ~れだ?」
「〇〇ちゃーん!」
先生が問いかけると、子どもたちはお顔を隠したお友達の名前を呼びます。
名前を呼ばれたお友達は手をあげながら、照れながら、お顔を出してくれました。
主役のお友達が席につくと、先生がインタビューをしていきます。
「お名前はなんですか?」
「何歳になりましたか?」
たんぽぽグループ(2歳児)のお友達の一人は元気にお名前や歳を言っており、お誕生日の日にどんなケーキを食べるのかも教えてくれました。
もう一人のたんぽぽさんは最初もじもじとしており、中々答えることができませんでしたが、最後にはきちんと自分の名前などを言うことができました。
落ち着いた様子で座っていたももグループ(1歳児)のお友達は、先生に名前を呼ばれると、元気に手をあげました。
覚えたての「2」を一生懸命、指でつくっている姿がとても可愛らしかったです。
ちゅうりっぷ(0歳児)さんたちもじっとお椅子に座って、先生からの紹介を聞いていました。
お誕生日のお友達の紹介が終わると、園長先生からキラキラ光る冠のプレゼントです。
「一つお兄さん、お姉さんになりましたね。お外でいっぱいあそんでくださいね」
など、一人一人に言葉をかけながら冠を頭にかぶせていきます。
みんなからはお歌と色紙のプレゼントです。
主役の子たちはニコニコと嬉しそうに、園長先生とみんなからのプレゼントを受け取っていました。
お友達からのプレゼントの後は、先生たちからのプレゼントです。
子どもたちの目の前に可愛らしいイラストを張り、「あめふりくまのこ」の歌に合わせてイラストを動かしていきます。
優しいピアノと先生の歌声、そして動くくまさんのイラストを、子どもたちは落ち着いた様子で聞いていました。
「あめふりくまのこ」の後は、「おたんじょうび」の会場にやってきた「おともだち」を当てるゲームです。
見開きの大きなカードの中心にある穴から、動物のイラストがちらっちらっと出てきます。
「誰が来たかな~?」
「くまさん!」
「ぱんだー!」
一瞬しか見えないイラストを頼りに、子どもたちはぱっと思いついた動物の名前を口にします。
いろんな動物が「おたんびょうび」の会場にやってきて、最後にやってきたお猿さんは、大きなお誕生日ケーキのカードを持ってきてくれました。
たくさんのプレゼントの最後は、先生たちのダンスです。
手に乗せたお手玉を落とさないよう、コミカルな音楽に合わせて踊ります。
明るくおどける先生たちにつられて、子どもたちもニコニコ笑顔で手を叩きながら見ていましたが、中にはきょとんとしているお友達もいました。
これで6月の未満児さんの誕生会はおしまいです。
お誕生日はいくつになっても特別な日ですが、子どもたちにとってはより特別な日です。
ご家族の方々も、お子様の成長を強く感じられる日なのではないでしょうか。
年に一度の誕生日。
お誕生日の当日は美味しいケーキに素敵なプレゼントで、もっと特別な一日になるといいですね。
雨露がきらきらと瞬く日々が続いておりますね。
みやこのじょう児童学園の玄関先にポスターが貼られてから、
「いつくるの?」
「はやくきてほしい!」
と子どもたちが心待ちにしていたイベントの日がやってきました。
九州プロレスの重量級選手「野崎広大」がみやこのじょう児童学園に来訪する日です。
去年、同じ九州プロレスの選手が来訪して以来プロレスに興味を持った子も多く、その日は朝からどこか浮ついた空気が漂っていました。
朝の活動を終えると、期待に目をキラキラさせた子どもたちがホールに集合しました。
姉妹園のみやこのじょう児童学園ひまわりからも、たんぽぽさん(2歳児)たちがやってきました。
先生のお話の後、合図とともに野崎選手が入場しました。
分厚い胸板とたくましい筋肉を持った野崎選手に、子どもたちから大きな拍手と歓声が沸き上がります。
あまりに分厚い胸板なので、来ていたTシャツが窮屈に見えてしまうほどです。
その迫力に、泣いてしまう小さなお友達も出てしまいました。
「みなさん、こんにちは!」
優しくも力強い挨拶に、園児たちも大きな返事をします。
それから野崎選手は福岡にある「九州プロレス」という場所から来たことなど、自己紹介をしてくれました。
自己紹介が終わると、「プロレスラーがしている、足が速くなる運動」を教えてくれました。
「足が速くなる」
というワードに、子どもたちはすぐに食いついて目をキラキラさせます。
「足が速くなる運動」、それは「スクワット」でした。
野崎選手がスクワットの仕方を実際に見せて教えてくれます。
「みんなで一緒にやってみよう!」
その言葉を聞くと、子どもたちはすぐに立ち上がりました。
「無理はしないようにね」と声をかけて、野崎選手と子どもたちは10回、スクワットをしました。
「いーち、にー、さーん」
野崎選手の力強い声と、子どもたちの大きい声がホールいっぱいに響きます。
以上児さんはもちろん、たんぽぽさんまで、みんなで元気いっぱいスクワットをしました。
スクワットを終えると、野崎選手はみんなに質問をしました。
「プロレスラーは、一日に何回くらいこのスクワットをするでしょうか。分かる人!」
少しの考える時間の後、いくつかの手があがりました。
「10かい!」最初に答えた子はそう答えました。
「10回!プロレスラーになるには少ないかなー」
野崎選手の返事を聞くと、次に答えた子は「12かい!」と回答しました。
可愛らしい回答に、野崎選手や先生たちの間にほのぼのとした空気が流れます。
「100かい!」
最後に答えた子は大きく数字を吊り上げ、自信満々に答えます。
ですが、それも不正解でした。
「それでは、正解を言います。正解は1000回です!」
野崎選手の言葉に、ホールから大きなどよめきが聞こえました。
小さいお友達の中には「1000」という数字をまだ知らない子もいたと思いますが、お兄さんやお姉さん、先生たちの反応からとても大きい数字だと分かったのでしょう。
いっしょに驚いている様子が可愛らしくみえました。
その後は、野崎選手への質問コーナーの時間が設けられました。
「何か、聞きたいことがある人!」
質問が投げかけられると同時に、小さな手を大きな声が一斉にあがりました。
たくさんのお友達の中から選ばれた子たちは、少しもじもじしながら、可愛らしい質問をしていました。
「すきなたべものはなんですか?」
「すきなひとはだれですか?」
子どもらしく微笑ましい質問内容に、野崎選手も優しい笑みをこぼしながら、質問に答えてくれました。
先生に選ばれた子たちの中には、野崎選手のグッズを持っているほどの大ファンの子もいました。
そのことを知っていた先生は、手をあげてくれたその子にもマイクを向けましたが、いざ立つと間近で見る本物の野崎選手に恥ずかしくなってしまったのか、何も話せなくなってしまっていました。
楽しい時間の終わりには、野崎選手が来ていたTシャツを脱いで、重量級の逞しい筋肉を見せてくれました。
子どもたち何人分もある大胸筋や上腕二頭筋、大腿四頭筋に、またまた大きな歓声があがります。
最後には、クラスごとに野崎選手と記念写真を撮りました。
ピースをしたり、両腕を肩の高さでまげて逞しいポーズをしたり、思い思いのポーズで写真を撮っていました。
こうして、九州プロレスの野崎広大選手との楽しい時間は終わりました。
「またきてくれるかな」
と、すでに次の機会を楽しみにしている子たちもいるようです。
子どもたちに貴重で楽しい時間をくださり、ありがとうございました。
「九州プロレス」のホームページはこちら
←まえの投稿 つぎの投稿→新生活も2か月が過ぎ、落ち着きを取り戻した頃でしょうか。
みやこのじょう児童学園に多々ある行事のトップバッターを飾るのは、春の親子遠足です。
こちらでは、未満児さんたちの様子をお届けします。
春の若葉が映える青空の下、都城市にある観音池公園にたくさんの家族が集まりました。
大好きなご家族の方々と一緒にニコニコ顔でやってきたお友達は、クラスごとに集まり、先生の前に並びます。
最初のプログラムは、準備体操のダンスです。
未満児さんは慣れない場所に戸惑っているのか、きょとんとした顔で立っているだけの子、泣いてしまっている子もいましたが、何人かは小さな手足を一生懸命動かしていました。
準備運動のダンスが終わると、以上児さん、未満児さんに分かれて家族のレクレーションを行いました。
未満児さんのレクレーション、トップバッターはちゅうりっぷ(0歳児)さんです。
キャラクターが描かれている箱に乗ったちゅうりっぷさんたちをご家族の方が引っ張り、一緒にゴールを目指します。
ゴールの手前には、箱に描いているキャラクターと同じキャラクターのメダルがぶら下がっています。
それを手に取ってゴールです。
ご家族の方と一緒でにこにこ笑顔のちゅうりっぷさんたち。
箱の中で姿勢を崩さないようクッションを背負って箱の中でお座りをすると、先生の掛け声でスタートします。
ご家族の方から離れて泣いてしまうかなと思いましたが、泣いている子は少なく、ほとんどのお友達はご機嫌な様子で運ばれていました。
ご家族の方も、「いくよー」「たのしいねー」などと声掛けをしながら、ゆったりと紐をひっぱります。
キャラクターのメダルを引っ張る場面では、ゆらゆらと揺れるメダルをなかなか掴むことができず、おめめやお顔、おててをカードの揺れに合わせて一生懸命動かしていました。
中には頭上のメダルに気づかない子もいましたが、先生やご家族の方が「こっちだよー」と声掛けをし、手助けをしながら、一緒にメダルを取っていました。
箱に揺られて心地よさそうにしているお友達や、穏やかな表情で紐をひっぱるご家族の様子に、筆者も心がほっこりとしました。
ちゅうりっぷさんの後は、もも(1歳児)さんのレクレーションです。
ももさんのレクレーションは、家族の触れ合いをより感じられるものでした。
ご家族の方と手つなぎまたは抱っこででスタートしたお友達は、たくさんのお面が並んでいるコーナーに行きます。
そこで3種類の動物が描かれたお面のうち一つを取り、その動物にちなんだ抱っこをしてゴールを目指し、ゴールにある箱の中にお面を入れます。
お面に描かれているのは「カンガルー」「ペンギン」「コアラ」です。
「カンガルー」を取ったら抱っこ。
「ペンギン」を取ったら後ろから脇を抱えての抱っこ。
「コアラ」はおんぶです。(おんぶが難しいお友達は抱っこをしました)
始まりの掛け声でよちよちとスタートしたももさんたち。
3月までちゅうりっぷさんのクラスにいたももさんたちの歩みはゆっくりですが、一歩一歩のその成長は大きいものです。
お面のコーナーについたお友達と家族の方は、イラストが伏せられているお面から一つを選びます。
慣れない場所と状況を観察することに集中していたり、抱っこから降ろされたことが嫌で泣いてしまったりですぐに選べないお友達が多くいましたが、そこはご家族の方と先生たちが優しくサポートします。
お友達がお面を選んでからは、ご家族の方のがんばりどころです。
お面を頭につけて、その動物に対応した抱っこをしてゴールへ向かいます。
最後の一仕事はももグループのお友達です。
ご家族の方から渡されたお面を箱の中に入れてゴールです。
人見知り期やイヤイヤ期の入り口など、1歳児さんは情緒の成長も大きくみられる時期です。
イヤイヤしながら、泣きながらでもゴールまでやりきったももさんとそのご家族の方々に、筆者は大きな拍手を贈りたいと思いました。
未満児さんたちのプログラムの最後はたんぽぽ(2歳児)さんたちです。
たんぽぽさんのレクレーションのテーマは「お弁当」です。
ご家族の方と一緒にキラキラのフラフープの中に入り、「バスごっこ」でいろいろな「おかず」のカードが置かれたシートの前に来ます。
たくさんのおかずの中から好きなものを選び、ゴールのボードに張り付け、美味しそうなお弁当をつくっていきます。
クラスごとに3つのチームに分かれて出発したたんぽぽさんたち。
おにぎり、卵焼き、ハンバーグ、たこさんウィンナー、焼き鮭、エビフライ、オレンジ、ミニトマト、ブロッコリー。
美味しそうなお弁当のおかずが並ぶシートの前にたどり着くと、フラフープのバスから降り、どのおかずをお弁当に入れるのか選びます。
子どもたちの様子を見ていると、おかずの選び方に個性が出るのだなと思いました。
ぱっと自分が欲しいものを見つけて取るお友達、じっくりと悩んで選ぶお友達、「え!これじゃないの!?」とご家族の方の予想を裏切っていくお友達。
バスごっこの場面、おかずを選ぶ場面、ぺたぺたとお弁当におかずを並べる場面。
どのシーンもみなさん楽しそうで、見ている筆者も明るい気持ちになりました。
最後は未満児さんで大きな一つの輪をつくり、親子ダンスです。
「ぼよよよ~ん」で有名な、「おかあさんといっしょ」の音楽に合わせて踊ります。
手をつないでゆらゆらしたり、一緒に歩いたり、抱き合ったり。
家族の触れ合いを感じられる振り付けが多くあるダンスでした。
大きな円の真ん中には先生たちがいて、ご家族の方々はそれを見本に踊ります。
あんよがまだなお友達や抱っこが大好きなお友達は、ご家族の方に抱っこをされたまま、ゆらゆらと音楽にのっていました。
元気に踊っている子もいましたが、ただてくてくと歩いているだけの子もおり、中には芝生や小さい虫に夢中になっているようなお友達もいました。
それぞれの成長過程の中にいる未満児さんたちの、それぞれの楽しみ方を見ることができ、心がとても温かくなりました。
振り付けの中には「たかいたかい」があり、ご家族の方が子どもたちの体を高くあげると、みんな大きな声をあげて大喜びしており、それを見ている保護者の方々、先生たちの顔にも笑顔が見えました。
未満児さんたちの親子遠足の様子は以上です。
全てのプログラムが終わった後、解散になりましたが、心地のよい春の日差しの下で、お弁当を広げる家族もいらっしゃいました。
新しい年度が始まってからの、初めてのイベントでしたが、保護者の方は4月から少しだけ成長したお子様の姿を見ることができたのではないでしょうか。
これからも、夏祭り、運動会、発表会など、みやこのじょう児童学園にはさまざまなイベントがあります。
ぜひ、4月の時点のお子様の様子を心の留めていただき、折をみて、お子様の成長を感じていただき、お子様と一緒にその瞬間の喜びなどを分かち合っていただければと思います。
心地よい風と鮮やかな緑で、お出かけしやすい気候となりました。
4月1日。
新年度が始まり、新しいお友達がみやこのじょう児童学園の門をくぐり、在園児は一つ上のクラスへ移動しました。
新しい場所、新しい先生、新しいクラス。
新入園児のお友達と、未満児クラスから以上児クラスに上がったお友達は特に、今までと違う環境に大きく戸惑ったのではないでしょうか。
新しい年度の一日目、子どもたちは新しいクラスごとにホールで写真を撮り、みやこのじょう児童学園の中を探検していました。
泣いているお友達もいましたが、新しい環境に戸惑いつつも、ワクワクドキドキといった明るい表情をしている子が多い印象でした。
ですが、当園しだして間もない高揚感が薄くなってきた頃から、泣き声が大きくなっていったように感じます。
先生たちも泣いているお友達を抱えながら、新しいクラスを先生同士で確認し合って教室に連れて行ったり、教室を間違った迷子のお友達をクラスまで連れて行ったりなど、右へ左へ大騒ぎでした。
保護者の方々も泣きながら登園するお子様の姿に、胸が引き裂かれる思いをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新しい生活が始まって数週間たち、最近では子どもたちの様子も落ち着いてきたように感じます。
気持ち新たに始まった4月。
今年もお子様の健やかな成長を手助けできますよう、職員一同、精一杯つとめてまいります。
令和7年度もよろしくお願いいたします。
立春とは名ばかりの厳しい寒さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
2月2日は立春の前日ということで、節分でしたね。(通常は2月3日が節分ですが、2025年は2月2日でした)
2日の夜に鬼がやってきたご家庭もあったことと思いますが、1日遅れて、みやこのじょう児童学園にも鬼がやってきました。
子どもたちも何かを感じ取っていたのでしょうか。
この日は、いつも笑顔で登園してくる子どもたちの顔が曇っており、緊張したような表情をしている子もいました。
「今日は鬼がくるよ!」
そう先生たちに告げられた子どもたちは、この日のために作成した鬼の被り物を身に着け、小さなかごに豆を入れて、新聞紙等を投げて、鬼退治の練習をしていました。
「おにはそとー、ふくはうちー」
いつも弾んで聞こえる歌声も、硬くこわばったような歌声に聞こえました。
そして、10時30分。
園内放送で童謡の「まめまき」が流れ出すと――
ガンガン!バンバン!
大きな音とともに、赤鬼と青鬼がやってきました。
手に持った武器を振り回し、どすん、どすんと大股で歩き、教室へ近づいていきます。
最初に鬼を目にしたのは、さくらグループB(年少)さんでした。
みんなで集まって鬼を待ち構えていたさくらさんたちは、赤鬼と青鬼を目にした瞬間、恐怖で目を見開き、きゅっと身を寄せ合ってますます小さな塊になりました。
鬼が教室の扉をがらりと開けます。
「きゃー!」
鬼が手に持っていた武器で、バンバン!と大きな音を出すと、子どもたちは散り散りになって逃げだしました。
手に持った豆を投げることも忘れ、ある子は涙を流しながら、またある子は顔を恐怖で強張らせながら逃げ回ります。
そのうち、1人の子が勇気を出し、
「おにはそとー!」
と必死の形相で豆を投げました。
豆を当てられた鬼はどてっと倒れると、すごすごとさくらさんの教室を後にしました。
次に鬼が向かったのは、未満児さんたちの教室です。
赤鬼がちゅうりっぷ(0歳児)さんの扉を開けると、目の前に立っていた小さな男の子が泣き出しました。
それをきっかけに、小さなお友達が一斉に泣き出します。
体が恐怖で動かないのか、棒立ちのまま大泣きする男の子の前に赤鬼はしゃがみ込み、顔を覗き込むと、何もしないまま教室を後にしました。
もも(1歳児)さんとたんぽぽ(2歳児)さんたちの教室を覗きに行くと、ちょうど子どもたちが鬼から逃げ回っている最中でした。
「おにをやっつけるの!」
鬼が来る前、そう言いながら笑顔で丸めた新聞紙を投げていた女の子も、涙を流しながら、先ほどまで練習していたことをすっかり忘れた様子で逃げ回っていました。
中には、力持ちの赤鬼に捕まってしまった子もいました。
「いやー!」
と泣きながら暴れますが、鬼の腕から逃げることはできません。
そのまま自分の教室から鬼が出てしまい、
「どこかへ連れていかれる!」
そう思った男の子の顔からは、絶望が垣間見えました。(その子は隣の教室でそっと下ろされ、筆者が抱っこして教室へ連れ帰りました)
さくらグループBさん以外の以上児さんたちの教室にも、鬼が向かいます。
さくらグループBさん、ゆり(年中)グループAさんとBさん、それぞれの教室で鬼たちが大暴れします。
青鬼の持つ、プラスチックのおもちゃのバットで背中をちょんちょんと突かれ、必死の形相で逃げだす子、赤鬼に捕まって大泣きする子。
「おにはそと~♪ふくはうち~♪」
童謡「まめまき」の明るい歌声が響く中、阿鼻叫喚の様子がしばらく続きました。
片方の鬼が教室を出ていって、ほっとするのもつかの間、しばらくするともう片方の鬼がやってきます。
2体の鬼が行ったり来たりするので、きっと子どもたちは生きた心地がしなかったことでしょう。
鬼が教室を行ったり来たりする中で、一度、ゆりグループAさんが入り口で見守る先生たちの腕をすり抜け、教室を飛び出し、ホールへ駆け込む様子も見られました。
さて、ゆりグループAさんたちが教室へ戻った後にホールをのぞき込むと、ライオンのたてがみのような被り物を身に着けたすみれさんたちが、びくっとしながらこちらを振り向きました。
「大丈夫、鬼じゃないよ」
そう声をかけると、すみれさんの肩から緊張が少し抜けました。
「さっき、ゆりさんたちがきたよ」
「びっくりした」
「おにもくる?」
口々に報告してくれるすみれさんたちと話していると、扉の所から気配がし、そこから赤鬼が姿を現しました。
赤鬼を目にした瞬間、すみれさんたちは悲鳴を上げ、一斉に逃げ始めます。
「まめをなげればいいんでしょ」
先ほど、そう話してくれた男の子もみんなと一緒に、一目散に逃げだしました。
来年小学生のすみれグループさんの脚の速さに翻弄されながらも、赤鬼は子どもたちを追いかけ、ときには集団からはぐれた女の子を隅に追い詰めて怖がらせ、またときには逃げ遅れた男の子を捕まえます。
「いい子にします!いい子にします!」
先生の腕にしがみつき、鬼に向かって必死に叫び続ける男の子もいました。
やがて、子どもたちを追いかけ続けていた赤鬼がバテ始めました。
弱り始めた赤鬼の姿に子どもたちの緊張が少し和らぎだしたその時、ホールの扉から青鬼が姿を見せました。
バンバン!
大きな音が扉の近くでなり、入り口付近にいた子は慌ててホールの奥へ逃げ出しました。
2体の鬼に追いかけられ、すみれさんたちはさぞや怖かったことでしょう。
鬼たちにさんざん追いかけられた園児たちですが、最後には鬼たちと一緒に記念写真を撮りました。
赤鬼青鬼と和解したのか、ほとんどの子どもたちはにこにこ笑顔で写真を撮っていましたが、中にはまだ警戒が解け切っていない、強張った表情の子もみられました。
節分の豆まきは、季節の変わり目に起こりやすい病気や災害などを鬼に見立てて、それを追い払う儀式――追儺(ついな)が由来だそうです。
これからも寒い日々は続き、春へ向けて、寒暖差の激しい日々もやってくることと思います。
みやこのじょう児童学園の園児たちが大きな病気や怪我がなく、健やかに過ごせますよう。
きっと、やって来てくれた赤鬼と青鬼もみんなの健康を願っていることでしょう。
寒さの厳しい日が続きますが、皆様お変わりございませんか。
みやこのじょう児童学園には、「モンテッソーリ教育」と「知能算数教室」という、2つの大きな教育の柱があります。
この日は、柱のひとつである「知能算数教室」の公開授業――参観日が行われました。
「知能算数教室」は高知県に本部がある、「積み木のにっしん」が考案したもので、今回は福岡直営校の室長先生である、浜田先生をお招きして、特別に授業を行っていただきました。
「知能算数教室」は独自の積み木を使用した「知能教室」と、積み木を利用し視覚的に分かりやすく親しみやすい「算数教室」に分かれています。
積み木を使った「知能教室」は1歳から始められます。
当園の1歳児グループである、ももグループから年齢別に40分ずつ、授業が行われました。
正面のホワイトボードを基準に、コの字に並べられた机には、たくさんの積み木が置かれています。
保護者の方が見守る中、ももグループさんが担任の先生たちに連れられて、よちよちとてとてホールに入ってきました。
授業の最初は、園長先生と浜田先生のお話が続きます。
山のような積み木の前、小さい椅子に座ったももグループさんたちは、いつもと違う環境にどこか不安そうな顔をしており、保育士の先生にしがみついている子や泣いている子がちらほらいました。
しかし、浜田先生が「手はあたま」と言うと、ほとんどの子が反射的に手を頭に置き、
「今から、積み木をピッタンこするよ!よーい、はじめ!」
の掛け声で、ちらほらと積み木に手を伸ばし始めました。
詳しい授業の内容はお伝え出来ませんが、みんな積み木は好きなようで、徐々に積み木を手に取って枠内にはめていきます。
1歳児さんのグループですが、浜田先生の指示を理解している子もおり、そういう子はちゃくちゃくと課題をこなしていきます。
ですが、指示通りに進める子はまだまだ少なく、ほとんどは積み木を決められた枠内に、自由につめていきます。
正解か不正解かで問えば、不正解です。
ですが、浜田先生は否定するような言動は一切見せず、
「青色が好きなんだね」「いい模様ができたね」「きれいに同じ形で揃えたね」
など、前向きな声掛けをしていきます。
さらに、迷っている素振りがある子や、動きが止まっている子には、
「赤色はどっち?」「この積み木をいれるのにはどうしたらいいかな?」
など、次の行動を促すためのアドバイスをしていきます。
当園の知能算数教室の先生たちも園児たちを見守る中、浜田先生は保護者の方々へ、様々な解説もしていきます。
積み木の選び方から見る、得意不得意の傾向。
同じ色や形で几帳面にそろえた作品と、カラフルにランダムにつめた作品の比較。
積み木の持ち方、つめ方からみえる手や指の発達の度合いなど。
そういった解説をしていきながら、一つ目の課題がスムーズにできているな、と判断できた子には、もう一段階上の課題を提示します。
ですが、浜田先生は課題の説明を全部はしません。
積み木のつめ方のパターンが分かるように数個の積み木を置いただけで、「はい、どうぞ」と子どもたちに渡します。
あとは子どもたちの想像に任せ、それによって「自分で考える力」を育てているそうです。
たとえ間違えていたとしても、決して否定しません。
「いい考え方だね。じゃあ、これはどうかな?」
とさりげなく子どもたちの思考を正解の方へ向け、あとは子どもたちに任せます。
積み木の渡し方もひと工夫されていました。
わざと少し遠くに積み木を見せて、子どもたちが自然に腕を伸ばして取れるようにします。
その動きが体のストレッチ――運動になり、「自分で物を取りに行く」という練習になるそうです。
そういった自宅でも簡単にできる、発達を促す働きかけ方も保護者の方々へ伝えていました。
およそ20分経った頃、「ストップ!」と浜田先生の掛け声と手を叩く音が響きました。
その掛け声に気づいて手を止める子もいますが、多くの子は積み木に集中して手を動かし続けます。
すると、授業の始まりと同じように「手はあたま」と声を掛けます。
さらに「ほっぺ」と続けるころには、ほとんどの子が手を止め、最後に「ピシャッ」と言う頃には、全員が手をお膝に乗せていました。
授業が始まったばかりの時はみんな緊張しており、はじめの挨拶では固まっていましたが、終わりの挨拶では表情も和らぎ、ぺこりと頭を下げる子も何人かみられました。
保育士の先生にぎゅっとしがみついて、なかなか積み木を手に取らない子も数人いましたが、最後にはほとんどの子が積み木を握ることができました。
大好きな保護者の方から離れ、馴染みのない先生たちがいるいつもと違う場所の中、きちんとお椅子に座って積み木に取り組む姿。
家では見ることのできないその姿や成長した姿に、保護者の方も感心したことでしょう。
ももグループさんとその保護者の方々が退室すると、次は2歳児のたんぽぽグループさんたちが入室してきます。
浜田先生のお話の最中も、じっとお椅子に座っていたたんぽぽさん。
「よろしくお願いします」と浜田先生が言うと、「よろしくおねがいします!」と元気にお返事していました。
開始の合図と同時に、次々と積み木へ手をのばすたんぽぽさんたち。
浜田先生が保護者の方々へ、園児たちの取り組みの内容を説明していると、
「できました!」
と元気な声があがりました。
保護者の方への説明を中断して浜田先生が駆け寄り、
「できたね!」
とハイタッチします。
その子をきっかけに、次々に「できました!」の声が上がりました。
当園の知能算数の先生たちも、園児たちの声や手が上がるたびに園児たちへ駆け寄ります。
あまりにもたくさんの園児たちが同時に手をあげるため、先生たちの対応が追いついておらず、右手も左手もめいっぱい上げて一生懸命アピールしている子もいました。
浜田先生も保護者の方々への説明が終わると、園児たち一人一人の手元をのぞき込み、必要があれば声掛けやアドバイスをしていました。
課題の難易度の上がり方も速く、限られた時間で用意された4つほどの課題を全てこなしてしまう子もいました。
たんぽぽさんになると、ももグループの時にはなかった「見本と同じようにつくる」という課題に取り組む子が多くみられました。
机の前方と中央に置かれたいくつかの見本の中から、先生たちが選んだものと同じものをつくるという課題です。
見本は正面の離れているところに置いているため、必然的に手元と正面を交互に見ながらの活動になります。
実はこの動作、将来――小学生以上に上がったとき、黒板の内容を手元のノートに書き込むときの動きと同じになります。
小さい時からこの動作に慣れて、正面を見たときに少しでも多くの情報を整理して取り込む訓練をしていると、黒板の内容をノートに書き写す作業がスムーズにできるそうです。
課題ができると、浜田先生を含めた知能算数教室の先生たちが答え合わせをしてくれていましたが、もし不正解だった場合は見本と見比べさせていました。
どこが間違えているかは伝えません。
どこが間違っているのか、どう間違っているのか、見本と同じようになるにはどうしたらいいのか、自分で考えさせます。
一見、厳しいようにも見えますが、これも「自分で考える力」を養うためです。
ももグループの時はサポートに徹していた先生たちですが、答え合わせや新しい課題の受け渡しに忙しなく動き回っていました。
あっという間に積み木の時間は終わりを迎え、子どもたちは浜田先生の合図できちんと手を止めます。
実は、このたんぽぽさんたちが1歳児だったとき、去年の公開授業の時は大勢の園児たちが大泣きして、授業がなかなか進まなかったそうです。
浜田先生はそのことを覚えてくださっており、
「すごい!この一年でたくさん成長したんだね!」
と驚いていらっしゃいました。
この一年で大きく成長したたんぽぽさんたちは、最後の挨拶も元気に言えていました。
筆者が未満児さんたちの公開授業の様子を見ていて印象に残ったのは、子どもたちの表情です。
「できました!」
と笑顔で手をあげて、先生とハイタッチをするときの達成感があふれるキラキラした笑顔。
「こう積み木を置いたら、どうなるかな?」
と浜田先生に問題を出され、眉をひそめて唇をとんがらせて考えている、真剣な姿。
保護者の方々も、ご家庭では見ることのできない姿をたくさん見ることができたのではないでしょうか。
各クラスの後には、浜田先生から保護者の方へ、10分ほどお話がありました。
子どもの成長は早いものですが、特に年齢が小さくなればなるほど、その成長は大きいものです。
その成長をプラスの方向へ向け、よどみないものにするためには、周りの大人からの声掛けが重要になってきます。
成長著しい未満児さんたちですが、個人の成長の差がより大きく感じるのもこの頃です。
「周りの子はもうできるのに、うちの子だけできない」
ついつい周りの子と比べて、一喜一憂してしまいがちです。
浜田先生は「自分のお子さんを他人と比較することはやめましょう」、そう保護者の方へ伝えました。
そして、「比べるのは、過去のお子さんとだけです」そう続けました。
そうすることで、子どもの成長をよりはっきりと感じることができ、保護者の方の不安や焦りも軽減することができます。
その成長を子ども自身に伝えることも大切だそうです。
「昨日はできなかったのに、今日はできたね」
「ここを工夫したんだね。もっとよくなってる」
できるだけ具体的に、そして客観的に伝えることがポイントです。
まだ、大人の言葉を全部は理解できない月齢、年齢でも、「褒められたこと」や「大好きな保護者の方が喜んでいる」ことは分かります。
それらプラスの感情や言葉が、子どものやる気につながり、成長のサイクルを好循環させることができるそうです。
「周りと比較しない」ということはとても難しく、ついつい気にしてしまいますが、もしもご自分のお子さんと周りの子どもを比べてしまいそうになったときは、一息ついて、頭の中から一度考えを追い出して、「前のこの子はどうだったかな」と、過去のお子さんと今のお子さんを見比べてみてください。
「自分の頭で考える力」を大切にしている、積み木のにっしんの知能算数教室。
みやこのじょう児童学園でも、積み木を通じて「自分で考える力」と「最後までやり抜く力」の基礎を育んでいければと思います。
今回は積み木のにっしん、福岡直営校の主任である、浜田先生にお越しいただきました。
お忙しい中、当園へご足労いただき、そしてご教授いただき、ありがとうございました。
この場をお借りして、感謝申し上げます。
「積み木のにっしん」のホームページはこちら
←まえの投稿 つぎの投稿→年の瀬も迫ってまいりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
年末を迎えたこの日、みやこのじょう児童学園では「おもちつき」が行われました。
朝早くから先生たちが園庭でもち米を蒸しており、焚き木の燃えるにおいともち米のいいにおいが漂っていました。
いつもと違う朝にわくわくしている子どもたちは、いそいそと園庭へ集合します。
この日は先生たちだけでなく、保護者の方々も数名、お手伝いに来てくださいました。
先生のお話の後、石臼にあつあつのもち米が入ります。
もくもくと立ち上る湯気の中、お父さんたちが杵でもち米を捏ねていきます。
もち米がまとまってくると、杵を大きく振りかぶって、勢いよくもちを搗きだしました。
「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」
と声を掛け合いながら、力強く、素早くもちを搗きます。
お父さんたちを応援するかのように、園児たちは手を叩きながら、
「がんばーれ!がんばーれ!」
と大きな声をあげます。
園庭にはもちを搗く音、お父さんたちの掛け声、園児たちの応援の声がしばらく続きました。
おもちを搗くのはお父さんたちだけではありません。
エプロンと三角巾を身に着けたすみれ(年長)さんたちが、園児を代表して、交代しながらもちを搗きました。
重たい杵と杵に張り付くもちの感触に戸惑いながら、すみれさんたちはひと搗きずつしっかりともちを搗きました。
搗きあがったもちは、先生たちと保護者の方が素早く丸めていきます。
小ぶりな丸もちはたんぽぽ(2歳児)さん以上の園児たちに配られました。
醤油、あんこ、きな粉。
園児たちはお皿の上のおもちに、各自好きなものをつけて食べていました。
以上児さんたちの中には、3つの味を全て食べた子もいました。
搗きたてのおもちは柔らかく、びよーんと伸びます。
その感触を楽しみながら、園児たちは満足するまでおもちを食べました。
園児たちが教室へ帰ったあとも、保護者の方と先生たちのもちつきは続きます。
白いもちを搗き終わると、次に都城の郷土料理である「ねったぼ」を作ります。
ねったぼはもちと蒸したさつまいもを搗き合わせたものに、きな粉をまぶしたものです。
搗きあがったねったぼは小さなサイズに丸められ、白もちはぜんざいの具材として、以上児さんと先生たちのおやつに提供されました。
午前中からおもちを食べて、給食も食べて、おやつにもおもちを食べて、この日はみんなおなか一杯になったことでしょう。
たくさんできた白もちは、園児たちと先生たちへのお土産にもなりました。
発表会におもちつき、クリスマス誕生会と、12月のイベントを楽しんだ園児たち。
今年ももう早いもので年の瀬、園児たちは短い冬休みに入ります。
冬休みはどんな日々を過ごすのでしょうか。
年明けの園児たちがどんな表情で登園してくるのか、今から楽しみです。
今年も大変お世話になりました。
来年も園児たちの健やかな成長を見守り、支えていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
クリスマスのイルミネーションで、町が鮮やかに彩られる頃となりました。
この日は消防士をお招きしての避難訓練が、みやこのじょう児童学園で行われました。
火事を想定しての避難訓練で、「ウゥ~~~」というサイレンが鳴ると、園児たちは煙を吸い込まないよう口を押えて先生の指示に従い、園庭を目指します。
園庭に集まると、消防士さんが前に立ってお話しました。
その後、園庭の門から大きな消防車がゆっくりと入ってきます。
本物の消防車を目にし、園児たちは歓声を上げていました。
消防車が園庭に到着すると、消防士さんによる消火のデモンストレーションが始まりました。
ポンプを伸ばし、筒先を手にして構えると、ポンプの先から大量の水が噴き出します。
大量の水を大きな力で放水するので、反動の力に負けないよう、消防士さんは脚をどっしりと構えていました。
本物の消防車とそのホースから出てくる大量の水に、園児たちは大興奮でした。
放水のデモンストレーションが終わった後は消防士さんの話を聞き、消防車と一緒に写真を撮りました。
さらに以上児さんは、消防車の運転席にも乗せてもらうことができました。
消防士さんが園児を一人一人抱き上げて、運転席に乗せてくれます。
消防車の運転席は広くてハンドルも大きく、普段乗っている車に比べて座席もぐんと高くなります。
その高さや大きさに園児たちは興奮し、大喜びでした。
他にも、消防車の側面にあるスイッチやホース、いろいろな部品を間近で見せてももらいました。
普段なかなかじっくりと目にすることのない消防車の放水を見ることができたり、様々なパーツや部品を見せてもらったり、運転席に乗せてもらったり、園児たちには貴重な、とても良い経験になったことでしょう。
←まえの投稿 つぎの投稿→一段と寒さも厳しくなってきましたが、真冬のすっきりとした青空を見上げると心も晴れ渡るようです。
さて、みやこのじょう児童学園では12月7日に大きなイベント、「生活発表会」がありました。
当園は2回に分けて発表会を行っておりますが、今回は2歳児から5歳児までの園児たちが、「都城市総合文化ホールMJ」(以下、MJホール)にて発表会を行いました。(0歳児と1歳児の発表会はみやこのじょう児童学園にて、12月14日に行われます)
ホールの開場とともにMJホールへ集まった園児と保護者達。
保護者の方たちは子どもを集合場所へ送り届けたのち客席へ、園児たちは先生に連れられ順番に舞台袖へ向かいます。
客席へ向かうと、我が子の勇姿を今か今かと待ちわびる保護者のワクワク感が、客席いっぱいに満ちていました。
さあ、いよいよ生活発表会の開演です。
すみれグループ(年長)さんの「はじめのことば」が終わると、トップバッターで登場したのはたんぽぽグループ(2歳児)さんたちです。
幕が上がると、サンタ帽子をかぶったたんぽぽさんたちが姿をあらわしました。
その可愛らしい姿に、客席の保護者から「わあ!」と声が上がりました。
各々、鈴、タンバリン、トライアングル、カスタネットを小さな手に持ち、クリスマスの歌のリズムに合わせて楽器を奏でます。
リズムよく楽器を叩く子、リズムを追い越してマイペースに楽器を叩く子。
それぞれ楽器の奏で方に個性は出ていましたが、泣き出してしまう子や棒立ちする子は1人もおらず、みんな楽しそうに歌いながら楽器を奏でていました。
2曲目の歌も簡単なダンスを踊りながら上手に歌えており、客席の端までその歌声は届きました。
次はすみれグループによる英語劇です。
グリム童話のある話のセリフを全て英語に置き換えての劇です。
この英語劇は、英語教室の講師の先生の指導の下、練習してきました。
すみれさんたちは一言一句間違えることなく、大きな声ですらすらと英語でのセリフを口にしていました。
さらに、場面転換のときには先生たちに交じって、自分たちでも小道具を持って移動していました。
劇はスムーズに進んでいましたが、やはり慣れない英語のセリフに緊張していたのでしょうか。
カーテンコールのダンスでは、劇のときよりもリラックスして踊っている様子が感じられました。
英語劇の後は「園長先生のあいさつ」を挟み、たんぽぽグループの見せ場が続きます。
最初はたんぽぽグループBさんです。
王子様とお姫様の格好をしたたんぽぽさんたちが、可愛らしい曲調のポップスに合わせて踊ります。
最初、いつもと違う環境にびっくりしたのか、女の子が一人うずくまっていましたが、先生に促されると立ち上がってみんなと一緒に踊り始めました。
それ以外は特にトラブルもなく、みんな上手に踊っていました。
次はたんぽぽさんからひとつお姉さんになった、さくらグループ(年少)さんの女の子たちによるダンスです。
チアガールの衣装に身を包み、金と赤のポンポンを手に持ったさくらさんの女の子たちが、たんぽぽさんたちにお手本を見せるかのように上手に踊ります。
照明を浴びてキラキラ輝くポンポンや光沢のあるスカートが華を添えて、さくらさんの女の子たちのかわいさが際立っていました。
3番目はたんぽぽグループCさんのダンスです。
水兵さんと赤いワンピースを着たたんぽぽさんたちが、スタジオジブリの楽曲に合わせて踊ります。
元気いっぱいに踊るたんぽぽさんたちの中には、ジャンプをする場面ではめいっぱい飛び跳ねている子もいました。
大きく振り付けを踊る子、もじもじして動きが小さくなる子。
同じ振り付けでもみんなそれぞれの個性が分かるダンスを見ることができました。
たんぽぽさんのプログラムの最後を飾るのは、たんぽぽグループAさんたちです。
ステージ中央に設置されたピンクの門から、音楽に合わせて順番に出てきます。
練習のときは想定された時間内に移動することが難しく、先生たちと一緒に何度も練習をしたり、時間を調整したりしている様子がみられましたが、本番ではみんな想定された時間内に決められた場所まで移動することができていました。
水色とピンクを基調とした衣装もばっちり似合っており、上手に踊れていました。
ここまでで、たんぽぽグループさんの出番は終わりです。
保護者の皆様もそうだとは思いますが、筆者もたんぽぽさんたちの舞台を見ていて、園児たちの大きな成長を感じました。
運動会のダンスのとき、隊列移動は先生たちに助けてもらいながら行い、周りの様子が気になって踊れない子もいました。
しかし、発表会では隊列移動を自分たちで行い、お友達との間隔も自分たちで気を付けることのできる子もおり、ダンスも全員が踊れていました。
運動会からの2か月と少しで、とても大きく成長したたんぽぽグループさんたち。
あと数か月して春になれば、制服を着て、未満児さんの教室から以上児さんの教室へ移動します。
春までにも、さらに成長するでしょう。
たんぽぽさんたちの活躍を見ていて、これからの成長が楽しみになりました。
休憩をはさんだ後は、以上児さんたちの出番です。
当園ではモンテッソーリ教育を行っているので、学年別のグループのほかに、年少さんから年長さんまでの縦割りのクラスも存在しています。
発表会の後半に行われる劇は縦割りのクラスで行いました。
「そら組」「ほし組」「つき組」「にじ組」「ゆき組」の5つのクラスがそれぞれ、グリム童話や日本も含めた各国の昔話の劇を行います。
どのクラスの園児たちも忘れることなくスムーズにセリフを言い、先生たちがつくった背景や小道具、衣装も園児たちの演技を一層魅力あるものにしていました。
演技も力の入ったものがあり、中でも魔王やいじわるな女王など、悪役たちの演技が特に際立っていたと感じました。
その他にも、誠実な村人や青年たち、可憐な姫や村娘、かわいらしい動物たち、威厳のある神や王など、みんなそれぞれ自分たちの役割を理解しており、素晴らしい演技をしていました。
各劇の最後にはカーテンコールのダンスもあり、演者である園児全員が色とりどりな個性ある衣装を着てダンスをするので、目に華やかで見ていてとても楽しかったです。
そして学年別に、さくらグループさんの男の子たち、ゆりグループ(年中)さん、すみれグループさんのダンスもありました。
劇の合間にあった、さくらグループの男の子のダンスは、王様になりたいライオンの子を表現したものでした。
しっぽのついた金色の衣装に身を包み、元気いっぱいに踊るさくらさんたちは、まさに子ライオンのようでした。
途中、たてがみの頭飾りを各々つけて再度登場したときは、そのかわいらしさに客席の保護者から笑みがこぼれました。
劇が終わると、ゆりグループさんたちのダンスが始まりました。
ゆりグループさんたちのダンスは、男の子たちが女の子たちに愛を告白するというストーリーの感じられるものでした。
途中、男の子たちが舞台の左右にある花道に分かれて広がると、移動する我が子を追いかけるため、構えられたカメラやスマートフォンがあちらこちらへ向けられました。
ダンスの後半、男の子たちが小道具をステッキから小さな花束に変え、その花束を捧げて愛を告白し、女の子たちがハートの描かれたカードを掲げて愛を受け取る場面はとても可愛らしいものでした。
花束とハートの杖を掲げた最後のポーズも決まっており、会場からは拍手が沸きました。
発表会のトリを飾るのは、すみれグループさんのダンスです。
これまでのダンスで使用された、ポップな雰囲気や可愛らしい雰囲気の曲とはがらっと変わる、三味線とロックが融合したようなかっこいい曲調の選曲でした。
和風の衣装に身を包んだすみれグループさん。
曲が始まると、まずは男の子たちが左右の花道に分かれて登場し、次に女の子たちが中央の舞台に登場しました。
それぞれ踊ったのち、男の子たちは一時退場、女の子のみのパートになります。
そして、女の子たちと入れ替わりで扇子を持って再登場した男の子たち。
ここから、男の子たちの見せ場が始まります。
中心に縦一列で並ぶと、2人ずつ左右に分かれて側転をします。
男の子たちの見事な側転に、会場からはどよめきの声が沸きました。
そこからはラストに向けて、全員でのダンスです。
アップテンポでかっこいい曲調に合わせて、ダンスの振り付けも細かい動作や速い動きなどありましたが、みんなしっかりテンポに合わせて踊り、動きのメリハリもついていました。
40人近くのすみれさんたちがみせる一糸乱れぬダンスや隊列移動に、会場の保護者の方たちも引き付けられるように見入っており、「ハッ!」と最後のポーズとともにすみれさんの掛け声が響くと、会場からは大きな拍手が送られました。
すみれさんの代表たちによる、「おわりのことば」で令和6年度のみやこのじょう児童学園の生活発表会は終演しました。
熱気冷めやらぬ会場からホールに出ると、さくらグループさんから順番に家族のもとへ帰っていきました。
園児の顔は大舞台をやり終えた達成感と満足感に満ちていて、その表情を見つめる保護者の方々からも我が子の成長を喜び、がんばりを労わる優しくて温かな雰囲気を感じられました。
園児たち一人一人が成長したことに加え、運動会という大舞台を数か月前に経験したからでしょうか。
発表会でのダンスは運動会のものよりも少し難しくなっているにも関わらず、その完成度は運動会のものよりも高かったように感じます。
劇ももちろん素晴らしいものでした。
泣く子はおらず、大きく間違える子もおらず、みんなが一丸となって一生懸命練習してきた成果が大きな実を結んだ、そんな発表会だったと思います。
運動会、発表会と大きな舞台をやりとげ、大きく成長した園児たち。
これからは春に始まる次のステップへ向けた、新たな成長の過程が始まります。
大きなイベントはない代わりに、寒さに耐えて春への準備をしている木の芽のように、じっくりと成長していく時期になるでしょう。
みやこのじょう児童学園では、そんな小さな日常での成長も大切にし、園児たち一人一人の成長をこれからも手助けしていきたいと思います。
Trick or Treat!
10月もいよいよ最終日となり、日中も過ごしやすい日が多くなってまいりました。
みやこのじょう児童学園では、12月に行われる「生活発表会」の練習が日々行われています。
この日は、みやこのじょう児童学園ひまわりとの合同練習(未満児さんのみ)が、みやこのじょう児童学園のランチルームで行われました。
たんぽぽグループ(2歳児)はA、B、Cの3グループに分かれてダンスを行います。
まだまだ練習中なので、ダンスの振り付けを完全には覚えておらず、どこか覚束ないようすも見られましたが、泣いている子もおらず、楽しそうにぴょんぴょん、くるくると踊っていました。
次はももグループさんの(1歳児)の寸劇の練習です。
慣れない場所へやってきたみやこのじょう児童学園ひまわりのお友達は、不安そうな表情を見せる子や泣いてしまう子もいました。
ですが、寸劇の練習が始まると、少し落ち着いた様子を見せ、先生と一緒に入場したり、移動したり、簡単なダンスを踊ったり、上手に練習をこなしていました。
練習の後、ももグループさんは衣装合わせも行ったそうですが、当日までのお楽しみにしておきますね。
「とても可愛らしかった」とだけお伝えしておきます。
発表会の日時と場所ですが、2歳児以上の発表会は12月7日(土)に都城市の都城市総合文化ホールMJで行われ、2歳児未満の発表会は12月14日(土)にみやこのじょう児童学園のホールで行われます。
園児たちも先生たちも、毎日一生懸命、練習をしています。
本番でどんな演技やダンスが見られるか、楽しみですね。