秋も深まり、日が短くなってまいりました。前回の記事では「スポーツの秋」にちなんで、体操教室の様子を投稿しました。今回は、「食欲の秋」にちなんで、給食室の様子をお届けしたいと思います。みやこのじょう児童学園が開園するのと同時に、給食室での仕事も始まります。この日の献立は、朝おやつに「みかん」、お昼が「魚のフライ、豆腐とにらのスープ」、3時のおやつが「ぜんざい、せんべい」です。まずすることは、未満児さんの朝おやつの準備です。未満児さんの年齢と月齢に合わせて、みかんを切っていきます。みやこのじょう児童学園では、未満児さんは食べやすいよう、半分にカット。ちゅうりっぷさん(0歳児さん)は月齢や発達度合いに合わせて、一粒を半分にカット、または薄皮をむいてのみじん切りで提供しています。
また、この日はおやつのぜんざいのために小豆を朝から炊いており、厨房に小豆のいい匂いが漂っていました。8時を過ぎると、八百屋さんや肉屋さん、魚屋さんが商品を届けてくれます。お野菜は段ボールに数箱届き、「魚のフライ」のために、約250切れの魚の切り身が届きました。
朝にお米も洗って炊飯器にセットしており、お米は毎日40合以上炊いています。野菜は届いたら仕分けをします。主菜に使うのか、副菜に使うのか、おやつに使うのか。金曜日には土曜日の分も届くので、その分は別に分けて冷蔵庫に保管します。仕分けが終わったら、下処理です。皮をむいたり、ヘタを取ったりしたあとに切っていきます。この日は切る野菜が少なかったのですが、多い日は数キロの野菜を切っていきます。ニラだけでもこの量になります。
離乳食は担当の者が作ります(担当は週替わりです)。その日に届いた新鮮な野菜を極力使用していますが、足りない場合は冷凍の野菜を使用します。離乳食の中期、後期の子が現在在籍していますが、使用できる野菜や肉魚、調味料を駆使して、できるだけ材料や味付けのかぶりがないように心がけて作っています。
さて、メインの「魚のフライ」に焦点を戻しましょう。まずはバッター液をつくります。数キロの卵液、薄力粉を使用しています。当園では卵アレルギーの子が数人いるので、まずはアレルギーのある子用にバッター液を別につくります。使用する材料は薄力粉と水、塩です。卵抜きのバッター液で衣を付けたら、先に卵抜きのフライを揚げます。揚げあがったフライは、卵が入っているバッター液が届かない場所に蓋をして保管しておきます。その後は、未満児さんのフライからどんどん揚げていきます。200切れ以上のフライになると、かなり時間がかかり、1時間以上揚げつづけなければなりません。衣をつける人、揚げる人に分かれて、ひたすら揚げていきます。この日のフライにはゴマのソースもついていたので、合間にゴマのソースも作っていました。揚げ終わったフライはクラスごとにバットへ並べられますが、未満児さんのフライは食べやすいよう切って提供しています。
次はスープの方を見ていきます。この日のスープは、豆腐、ニラ、かまぼこ(卵不使用)、もずく、コーンを使用したシンプルなものです。日によっては、野菜がたくさん入る具だくさんの汁物もあります。幼児200人ほどの汁物になると、一抱えもある大鍋いっぱいの量になりますが、おかわりもたくさんするので、予備の分を除いて余ることはほとんどありません。
10時半近くになると、ご飯の炊けるいい匂いがし、おかずや離乳食ができあがります。当園はモンテッソーリ教育を取り入れており、子どもたちが自分でおかずを取り分けるので、一つ一つのお皿に盛りつける工程はありません。その代わり、お鍋や小皿、ボウルに、クラスごとにおかずを取り分けていきます。離乳食だけはお皿に盛りつけるので、10時半からは一気に離乳食の盛り付けをしていきます。中期、後期の子は別に作った離乳食を盛りつけ、ご飯も軟飯や五分粥を提供します。完了期の子たちにはみんなと同じものを提供していますが、発達の度合いに合わせて切ったり刻んだりして提供しています。そして、アレルギーを持っている子たちの分もこの時間に用意します。除去食がなく、みんなと同じ給食の日でも、必ず一人分ずつお盆に分けています。この日は「魚のフライ」に卵除去のものがあるので、フライだけ分かりやすいようみんなとは違うお皿に盛り付けてあり、ラップもしていました。
11時に離乳食をクラスへ届けるのと同時刻くらいに、姉妹園「みやこのじょう児童学園ひまわり」の先生がひまわりの分の給食を取りに来ます。(ひまわりの給食はこちらで作っています)その後からは、未満児さん、以上児さんの給食の準備です。未満児さんの分は、ご飯はボウルに、スープは小鍋に、フライはバットへ分けます。お盆の上へクラスごとに並べたら、11時過ぎにクラスの先生が給食を取りに来ます。そのときに、アレルギー対応食の確認を給食室でダブルチェックして、担任の先生へも確認しながら渡していきます。(0歳児のクラスにはアレルギーの子はいません)
以上児さんたちの給食も同じようにします。スープは鍋に入れて、フライはバットに並べますが、ご飯だけはこちらでつぎ分けます。(未満児さんもご飯はクラスで先生が次ぎ分けています)普段はお料理モンテッソーリの一環で2クラスほどご飯を別に炊いていますが、今は発表会の練習に集中するため、お料理モンテはお休みしているので、以上児さん全クラス分、給食室でついでいます。約120人分のご飯を次ぎ分けている間に、未満児さんクラスの先生たちの給食も用意します。11時半を過ぎると、以上児の先生がランチルームで給食の準備を始めます。机を並べたり、数えて出してある食器をクラスの場所へ並べたり、おかずを並べたりなど。12時前になると、以上児さんがクラスごとにやってきます。「きょうのきゅうしょくなにー?」「フライだ!」「カレーじゃないの?」など元気におしゃべりしながらやってくるので、ランチルームが一気ににぎやかになります。
以上児さんが給食を取り分ける様子を視界の隅で確認しながら、以上児の先生たちや事務の先生の給食を準備しますが、同時進行で片づけとおやつの準備を始めます。使用した調理器具等を洗ったり、炊飯器のお釜を洗ったり、床掃除をしたりなどなど。この日のおやつは「ぜんざい、ぜんべい」なので、おやつの準備としては、小豆の入った大鍋をコンロに戻して再度炊き始めたり、おせんべいの数をクラスごとに数えたりといったことをしていました。さて、12時に「いただきます」をして食べ始める以上児さんたちですが、早い子は10分ほどで食べ終わって食器を片づけにきます。それから約1時間、ひたすら食器を洗う時間が始まります。以上児さんたちの食器に未満児さんたちの食器、合間に先生たちの食器やコップなど。250人分の食器を洗うのは重労働です。ですが、時折かかる、「ごちそうさまでした!」「おいしかったです!」「きょうのおやつなーにー?」という子どもたちの声にも、食器を洗いながら笑顔で対応してくれていました。13時過ぎ、全ての食器を片付け、0歳児さんの先生の給食も出し終え、おやつの準備が大体済んだところで、ようやく給食の先生たちもお昼ご飯を食べます。
お昼ご飯を食べ終わった後は、大きな乾燥機の中で乾かしていた食器類の片付けや、0歳児さんの先生たちの食器の片付け、おやつで使うコップやお盆の準備をします。14時半になると、ひまわりの先生が再度来てくれ、ひまわりの子たちのおやつを持っていきます。そして15時になると、未満児の先生や以上児の先生たちがおやつを取りに来てくれます。保育士の先生たちも各クラスでおやつを食べ、給食の先生もおやつを食べて一息つきますが、15時半からは再度洗い物や片付けの時間です。そうしておやつ後の洗い物や一日の片付けを終え、16時半には給食室は閉まります。
これがみやこのじょう児童学園の給食室の一日で、午前中は調理中心、午後は片付け中心で動いています。献立は都城市から頂いているものを使用させていただいていますが、園の行事等に合わせて調整しています。(この日の給食の写真です。この日は特別野菜が少ない献立でしたが、いつもは野菜がたっぷりです。)
子どもたちが健やかに成長していくための大事な要素が食事――毎日食べている給食です。0歳児の子たちには月齢や発達段階に合わせた、食べやすく栄養満点な離乳食をつくるよう心掛けています。アレルギーを持っている子たちには、第一に安全な、そしてできるだけ他の子たちと同じような見た目の、味も美味しい給食を提供しています。そしてもちろんみんなが食べる給食も、安全で新鮮な食材を使った、栄養満点の給食を毎日作っています。美味しい給食をしっかり食べて、これからもすくすくと成長していってほしいと願っています。
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みやこのじょう児童学園では、登園するこどもたちの命を守る為に、胸骨圧迫の正しい方法と、AEDの使用方法を救急救命士の方から教えていただきました。
何度も繰り返し訓練する事で、最悪の事態でも落ち着いて行動できるよう先生達は真剣に話を聞いていました。
研修終わりの質問の時には救急救命士の方から丁寧に対処法を教えてもらい不安に思っていたことなど少し和らいだ気がしました。
これからも多くの研修を重ね、園児達が安全にすくすく成長できる空間づくりに徹していきたいと思っています。