らせ

知能算数教室の公開授業(以上児さん編)~令和7年1月18日

  • 2025.01.24
  • お知らせ

明るく澄んだ冬晴れの日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
みやこのじょう児童学園には、「モンテッソーリ教育」と「知能算数教室」という、2つの大きな教育の柱があります。
この日は、柱のひとつである「知能算数教室」の公開授業――参観日が行われました。
「知能算数教室」は高知県に本部がある、「積み木のにっしん」が考案したもので、今回は福岡直営校の室長先生である、浜田先生をお招きして、特別に授業を行っていただきました。
「知能算数教室」は独自の積み木を使用した「知能教室」と、積み木を利用し視覚的に分かりやすく親しみやすい「算数教室」に分かれています。
積み木を使った「知能教室」は1歳から、「算数教室」の方は3歳から開始することができます。

先生のお話を聞くさくらグループさん

1歳児であるももグループさんから始まった、各クラス40分の公開授業。
未満児さんのクラスが終わった後、以上児さんのトップバッターとして、さくらグループ(年少さん)のみんながホールへ入ってきました。
未満児さんのクラスでは、比較的単純な形の積み木を使っていましたが、以上児のクラスへ変わったことで、取り組む課題内容と積み木の形状が難しいものへ変わります。
正面のホワイトボードを基準に、コの字に並べられた机には、2種類の積み木が2つのグループに分けて置かれています。
さまざまな形の木目調の積み木と、色を長方形に組み合わせたカラフルな積み木。
積み重なったたくさんの積み木を目の前にし、さくらさんたちは目をキラキラさせていました。
園長先生のお話が終わると、浜田先生が引き継ぎ、保護者の方へのお話と園児たちへの課題の話をしていきます。
「では、いくよ。よーい、はじめ!」
課題の説明が終わると、さくらさんたちは浜田先生の合図をきっかけに、一斉に積み木を手に取りました。

積み木をするさくらグループさん

以上児さんに用意されたのは、2種類の積み木と、それぞれの積み木を使用する課題です。
積み木の形も未満児さんたちに用意されたものよりも複雑になり、自分の欲しい積み木を探すだけでも一苦労です。
いろんな形をいくつも手に取って試してみたり、じーっと積み木の山を眺めてほしい積み木を探したり、手に持っている積み木を課題と見比べて悩んだり、一生懸命頭を使っている様子が見て取れました。
ですが、さすが以上児さんです。
時間は少しかかったものの、1人ができ始めると、次々に他のお友達も手をあげ始めました。

手をあげるさくらグループさん

未満児さんと違い、保護者の方が近づいても集中が途切れづらいということで、さくらさんからは保護者の方が近くに寄って、子どもたちが積み木に取り組んでいる様子を間近で見ていただきました。
目の前の課題に集中しているお子さんの手元や表情を目にし、驚きなのか目を丸くする保護者や息をのむ保護者、感心したように頷く保護者など、様々な表情を見せながら我が子のがんばりを見守っていました。
さらに、授業が終わって子どもたちがホールを退出したあとには、保護者の方々へ実際に積み木を手に取っていただきました。
中には、子どもたちが取り組んでいた課題へ取り組んでいる方もいらっしゃいましたが、大人でも一筋縄ではいかない課題に、首をかしげたり積み木を何度も入れ替えたり、苦戦している様子もみられました。

積み木をする保護者の方

さくらさんの後はゆりグループ(年中さん)の番です。
いつも元気なゆりさんたちですが、この日はきちんとお椅子に座って、浜田先生のお話が終わるのをじっと待っていました。

先生のお話を聞くゆりグループさん

取り組む課題もさくらグループより少し難易度があがります。
木目調の積み木は枠内にはめる課題が引き続き出されましたが、カラフルな積み木を使う子たちには、四角の枠だけでなく、冊子に描かれた見本通りに形をつくる課題が最初から提示されました。
課題は少し難しくなりましたが、やり遂げるスピードもさくらさんたちより速く、
「できました!」
の大きな声が次々に聞こえ、先生たちは園児たちの対応に追われていました。

積み木をするゆりグループさん

課題の難易度が上がるスピードも速く、木目調の積み木を使っている子たちの中にも、教本の見た目通りに積み木を並べる課題に進む子が多くみられました。
ゆりさんたちの保護者の方にも、授業の後半でお子さんの様子を間近で見ていただきました。
積み木に集中していても、大好きな保護者の方たちが近づいてくるのが分かるのでしょう。
少しそわそわきょろきょろとして、集中が切れそうな雰囲気がありましたが、ぐっとこらえていたようで、何とか集中を切らさずに授業を終えることができました。
ゆりグループの保護者の方々にも、園児たちが退出した後に積み木を触っていただきました。
大人と一緒に、園児たちのお兄ちゃんお姉ちゃんたち――小学生が、夢中になって積み木を触っていました。
中には、みやこのじょう児童学園の卒園児の子もおり、
「なつかしい!」「まだできる!」「どうするんだったっけ?」
など声を出しながら久しぶりの積み木を楽しんでいる様子でした。

積み木をするゆりグループの保護者

最後は年長である、すみれグループさんたちです。
すみれさんたちの課題は、「冊子の絵と同じ形を、冊子の上に置かずにつくる」ことです。
どういうことかというと、冊子は厚紙でつくられており、その見本の絵に積み木を置いて課題を解くことができます。
ただ冊子の絵の上に積み木を置くよりも、冊子の外に、合っているか絵と見比べながら解く方が、難易度が上がるそうです。
冊子を見て、ほしい積み木を探して、置いて、見本と見比べて、また積み木を探す。
間違いに気づいた場合は、どう間違っているのか、どの積み木と入れ替えるのか、考えて、探して、また見比べる。
手と目と頭をフル回転で動かし、みんな集中して課題に取り組んでいました。

積み木をするすみれグループさん

すみれさんたちの後は、保護者の方々の番です。
さくらさんとゆりさんのときは、自由に積み木を触っていただくだけでしたが、すみれさんの保護者の方々には今年が最後ということで、実際に課題へ取り組んでいただきました。
大人ということで、すみれさんたちよりも少し難しい課題が提示されます。
例えば、カラフルな積み木の場合。
見本と同じ色を探して積み木を置いていくのですが、冊子の色と積み木の色を入れ替えます。
赤色は黄色へ置き換え、黄色は青色へ、緑色は赤色へ、など。
ただ積み木を探して置くだけでも大変ですが、考える要素が増えたため保護者の方たちは、うんうん悩みながら課題に取り組んでいました。
限られた短い時間の中、解き終わった方は数人でしたが、皆さん頭をフル回転していたのでしょう、浜田先生の合図で積み木から手を放すと、ふうと大きな息をつく方が多くいらっしゃいました。
楽しかったのか、はたまた課題が終わらず悔しかったのか、中には浜田先生のお話を聞きながら、こっそり問題を解き続ける保護者の方もいらっしゃいました。

積み木をするすみれグループさん

以上児さんたちの公開授業を見て、大人でも難しい課題を「最後まで投げ出さずに取り組む姿勢」に、筆者は感心しました。
壁にぶつかっても、トライ&エラーでチャレンジし続ける姿勢。
「できました」の後に合格がもらえなくても、ふてくされることなく「どうすればいいのか」と頭を働かせ続ける姿。
未満児さんも含め、5クラス分の授業を見学しましたが、
「できない!」「いや!」
などと音を上げる子どもは1人もいませんでした。

積み木をするゆりグループさん②

各クラスの後には、浜田先生から保護者の方へ、10分ほどお話がありました。
以上児の保護者へは、授業の最後に積み木を触ったことを、ぜひ子どもたちへ話して共有してほしい、とお話していらっしゃいました。
子どもたちは保護者の方々が大好きです。
その大好きな保護者の方々に、
「積み木触ったよ」「すごく難しかった」「大人でも難しいことを頑張っているんだね」
などと声をかけてもらえると、とても喜び、さらなる成長の助けになります。
プラスの行動をしたときはすかさず褒め、マイナスの行動をしたときは子どもの人格を否定せずに「どこが良くなかったのか、どうしたらいいのか」を伝える。
「褒めるチャンス」と「伝えるチャンス」を逃さず捉え続けること、それが大切だそうです。
うまい言葉が見つからない場合は、「できたこと、したことを客観的に伝える」それだけでも「自分を見てくれている」という気持ちが生まれ、プラスの方向へ進むそうです。
数年以内に小学校へ進学する以上児さんたちには、小学校入学という大きな環境の変化に負けないよう、幼児期のうちにぐんぐんとできるだけ成長させ、伸ばしたところをいかに定着させるかということが大事だと、浜田先生は伝えていました。

積み木をするすみれグループさん②

「自分の頭で考える力」を大切にしている、積み木のにっしんの知能算数教室。
みやこのじょう児童学園でも、積み木を通じて「自分で考える力」と「最後までやり抜く力」の基礎を育んでいければと思います。
今回は積み木のにっしん、福岡直営校の主任である、浜田先生にお越しいただきました。
お忙しい中、当園へご足労いただき、そしてご教授いただき、ありがとうございました。
この場をお借りして、感謝申し上げます。

「積み木のにっしん」のホームページはこちら

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