一段と寒さも厳しくなってきましたが、真冬のすっきりとした青空を見上げると心も晴れ渡るようです。
さて、みやこのじょう児童学園では12月7日に大きなイベント、「生活発表会」がありました。
当園は2回に分けて発表会を行っておりますが、今回は2歳児から5歳児までの園児たちが、「都城市総合文化ホールMJ」(以下、MJホール)にて発表会を行いました。(0歳児と1歳児の発表会はみやこのじょう児童学園にて、12月14日に行われます)
ホールの開場とともにMJホールへ集まった園児と保護者達。
保護者の方たちは子どもを集合場所へ送り届けたのち客席へ、園児たちは先生に連れられ順番に舞台袖へ向かいます。
客席へ向かうと、我が子の勇姿を今か今かと待ちわびる保護者のワクワク感が、客席いっぱいに満ちていました。
さあ、いよいよ生活発表会の開演です。
すみれグループ(年長)さんの「はじめのことば」が終わると、トップバッターで登場したのはたんぽぽグループ(2歳児)さんたちです。
幕が上がると、サンタ帽子をかぶったたんぽぽさんたちが姿をあらわしました。
その可愛らしい姿に、客席の保護者から「わあ!」と声が上がりました。
各々、鈴、タンバリン、トライアングル、カスタネットを小さな手に持ち、クリスマスの歌のリズムに合わせて楽器を奏でます。
リズムよく楽器を叩く子、リズムを追い越してマイペースに楽器を叩く子。
それぞれ楽器の奏で方に個性は出ていましたが、泣き出してしまう子や棒立ちする子は1人もおらず、みんな楽しそうに歌いながら楽器を奏でていました。
2曲目の歌も簡単なダンスを踊りながら上手に歌えており、客席の端までその歌声は届きました。
次はすみれグループによる英語劇です。
グリム童話のある話のセリフを全て英語に置き換えての劇です。
この英語劇は、英語教室の講師の先生の指導の下、練習してきました。
すみれさんたちは一言一句間違えることなく、大きな声ですらすらと英語でのセリフを口にしていました。
さらに、場面転換のときには先生たちに交じって、自分たちでも小道具を持って移動していました。
劇はスムーズに進んでいましたが、やはり慣れない英語のセリフに緊張していたのでしょうか。
カーテンコールのダンスでは、劇のときよりもリラックスして踊っている様子が感じられました。
英語劇の後は「園長先生のあいさつ」を挟み、たんぽぽグループの見せ場が続きます。
最初はたんぽぽグループBさんです。
王子様とお姫様の格好をしたたんぽぽさんたちが、可愛らしい曲調のポップスに合わせて踊ります。
最初、いつもと違う環境にびっくりしたのか、女の子が一人うずくまっていましたが、先生に促されると立ち上がってみんなと一緒に踊り始めました。
それ以外は特にトラブルもなく、みんな上手に踊っていました。
次はたんぽぽさんからひとつお姉さんになった、さくらグループ(年少)さんの女の子たちによるダンスです。
チアガールの衣装に身を包み、金と赤のポンポンを手に持ったさくらさんの女の子たちが、たんぽぽさんたちにお手本を見せるかのように上手に踊ります。
照明を浴びてキラキラ輝くポンポンや光沢のあるスカートが華を添えて、さくらさんの女の子たちのかわいさが際立っていました。
3番目はたんぽぽグループCさんのダンスです。
水兵さんと赤いワンピースを着たたんぽぽさんたちが、スタジオジブリの楽曲に合わせて踊ります。
元気いっぱいに踊るたんぽぽさんたちの中には、ジャンプをする場面ではめいっぱい飛び跳ねている子もいました。
大きく振り付けを踊る子、もじもじして動きが小さくなる子。
同じ振り付けでもみんなそれぞれの個性が分かるダンスを見ることができました。
たんぽぽさんのプログラムの最後を飾るのは、たんぽぽグループAさんたちです。
ステージ中央に設置されたピンクの門から、音楽に合わせて順番に出てきます。
練習のときは想定された時間内に移動することが難しく、先生たちと一緒に何度も練習をしたり、時間を調整したりしている様子がみられましたが、本番ではみんな想定された時間内に決められた場所まで移動することができていました。
水色とピンクを基調とした衣装もばっちり似合っており、上手に踊れていました。
ここまでで、たんぽぽグループさんの出番は終わりです。
保護者の皆様もそうだとは思いますが、筆者もたんぽぽさんたちの舞台を見ていて、園児たちの大きな成長を感じました。
運動会のダンスのとき、隊列移動は先生たちに助けてもらいながら行い、周りの様子が気になって踊れない子もいました。
しかし、発表会では隊列移動を自分たちで行い、お友達との間隔も自分たちで気を付けることのできる子もおり、ダンスも全員が踊れていました。
運動会からの2か月と少しで、とても大きく成長したたんぽぽグループさんたち。
あと数か月して春になれば、制服を着て、未満児さんの教室から以上児さんの教室へ移動します。
春までにも、さらに成長するでしょう。
たんぽぽさんたちの活躍を見ていて、これからの成長が楽しみになりました。
休憩をはさんだ後は、以上児さんたちの出番です。
当園ではモンテッソーリ教育を行っているので、学年別のグループのほかに、年少さんから年長さんまでの縦割りのクラスも存在しています。
発表会の後半に行われる劇は縦割りのクラスで行いました。
「そら組」「ほし組」「つき組」「にじ組」「ゆき組」の5つのクラスがそれぞれ、グリム童話や日本も含めた各国の昔話の劇を行います。
どのクラスの園児たちも忘れることなくスムーズにセリフを言い、先生たちがつくった背景や小道具、衣装も園児たちの演技を一層魅力あるものにしていました。
演技も力の入ったものがあり、中でも魔王やいじわるな女王など、悪役たちの演技が特に際立っていたと感じました。
その他にも、誠実な村人や青年たち、可憐な姫や村娘、かわいらしい動物たち、威厳のある神や王など、みんなそれぞれ自分たちの役割を理解しており、素晴らしい演技をしていました。
各劇の最後にはカーテンコールのダンスもあり、演者である園児全員が色とりどりな個性ある衣装を着てダンスをするので、目に華やかで見ていてとても楽しかったです。
そして学年別に、さくらグループさんの男の子たち、ゆりグループ(年中)さん、すみれグループさんのダンスもありました。
劇の合間にあった、さくらグループの男の子のダンスは、王様になりたいライオンの子を表現したものでした。
しっぽのついた金色の衣装に身を包み、元気いっぱいに踊るさくらさんたちは、まさに子ライオンのようでした。
途中、たてがみの頭飾りを各々つけて再度登場したときは、そのかわいらしさに客席の保護者から笑みがこぼれました。
劇が終わると、ゆりグループさんたちのダンスが始まりました。
ゆりグループさんたちのダンスは、男の子たちが女の子たちに愛を告白するというストーリーの感じられるものでした。
途中、男の子たちが舞台の左右にある花道に分かれて広がると、移動する我が子を追いかけるため、構えられたカメラやスマートフォンがあちらこちらへ向けられました。
ダンスの後半、男の子たちが小道具をステッキから小さな花束に変え、その花束を捧げて愛を告白し、女の子たちがハートの描かれたカードを掲げて愛を受け取る場面はとても可愛らしいものでした。
花束とハートの杖を掲げた最後のポーズも決まっており、会場からは拍手が沸きました。
発表会のトリを飾るのは、すみれグループさんのダンスです。
これまでのダンスで使用された、ポップな雰囲気や可愛らしい雰囲気の曲とはがらっと変わる、三味線とロックが融合したようなかっこいい曲調の選曲でした。
和風の衣装に身を包んだすみれグループさん。
曲が始まると、まずは男の子たちが左右の花道に分かれて登場し、次に女の子たちが中央の舞台に登場しました。
それぞれ踊ったのち、男の子たちは一時退場、女の子のみのパートになります。
そして、女の子たちと入れ替わりで扇子を持って再登場した男の子たち。
ここから、男の子たちの見せ場が始まります。
中心に縦一列で並ぶと、2人ずつ左右に分かれて側転をします。
男の子たちの見事な側転に、会場からはどよめきの声が沸きました。
そこからはラストに向けて、全員でのダンスです。
アップテンポでかっこいい曲調に合わせて、ダンスの振り付けも細かい動作や速い動きなどありましたが、みんなしっかりテンポに合わせて踊り、動きのメリハリもついていました。
40人近くのすみれさんたちがみせる一糸乱れぬダンスや隊列移動に、会場の保護者の方たちも引き付けられるように見入っており、「ハッ!」と最後のポーズとともにすみれさんの掛け声が響くと、会場からは大きな拍手が送られました。
すみれさんの代表たちによる、「おわりのことば」で令和6年度のみやこのじょう児童学園の生活発表会は終演しました。
熱気冷めやらぬ会場からホールに出ると、さくらグループさんから順番に家族のもとへ帰っていきました。
園児の顔は大舞台をやり終えた達成感と満足感に満ちていて、その表情を見つめる保護者の方々からも我が子の成長を喜び、がんばりを労わる優しくて温かな雰囲気を感じられました。
園児たち一人一人が成長したことに加え、運動会という大舞台を数か月前に経験したからでしょうか。
発表会でのダンスは運動会のものよりも少し難しくなっているにも関わらず、その完成度は運動会のものよりも高かったように感じます。
劇ももちろん素晴らしいものでした。
泣く子はおらず、大きく間違える子もおらず、みんなが一丸となって一生懸命練習してきた成果が大きな実を結んだ、そんな発表会だったと思います。
運動会、発表会と大きな舞台をやりとげ、大きく成長した園児たち。
これからは春に始まる次のステップへ向けた、新たな成長の過程が始まります。
大きなイベントはなく、寒さに耐えて春への準備をしている木の芽のように、じっくりと成長していく時期になるでしょう。
みやこのじょう児童学園では、そんな小さな日常での成長も大切にし、園児たち一人一人の成長をこれからも手助けしていきたいと思います。