らせ

新しい年度が始まりました~令和7年4月1日

  • 2025.04.24
  • お知らせ

心地よい風と鮮やかな緑で、お出かけしやすい気候となりました。
4月1日。
新年度が始まり、新しいお友達がみやこのじょう児童学園の門をくぐり、在園児は一つ上のクラスへ移動しました。
新しい場所、新しい先生、新しいクラス。
新入園児のお友達と、未満児クラスから以上児クラスに上がったお友達は特に、今までと違う環境に大きく戸惑ったのではないでしょうか。

ホールで集合写真を撮る以上児さんたち

新しい年度の一日目、子どもたちは新しいクラスごとにホールで写真を撮り、みやこのじょう児童学園の中を探検していました。
泣いているお友達もいましたが、新しい環境に戸惑いつつも、ワクワクドキドキといった明るい表情をしている子が多い印象でした。
ですが、当園しだして間もない高揚感が薄くなってきた頃から、泣き声が大きくなっていったように感じます。
先生たちも泣いているお友達を抱えながら、新しいクラスを先生同士で確認し合って教室に連れて行ったり、教室を間違った迷子のお友達をクラスまで連れて行ったりなど、右へ左へ大騒ぎでした。

「エイエイオー!」とこぶしをあげる以上児さんたち 桜の下でポーズをとる以上児さんたち

保護者の方々も泣きながら登園するお子様の姿に、胸が引き裂かれる思いをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新しい生活が始まって数週間たち、最近では子どもたちの様子も落ち着てきたように感じます。
気持ち新たに始まった4月。
今年もお子様の健やかな成長を手助けできますよう、職員一同、精一杯つとめてまいります。
令和7年度もよろしくお願いいたします。

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豆まきをしました~令和7年2月3日

  • 2025.02.07
  • お知らせ

立春とは名ばかりの厳しい寒さが続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
2月2日は立春の前日ということで、節分でしたね。(通常は2月3日が節分ですが、2025年は2月2日でした)
2日の夜に鬼がやってきたご家庭もあったことと思いますが、1日遅れて、みやこのじょう児童学園にも鬼がやってきました。
子どもたちも何かを感じ取っていたのでしょうか。
この日は、いつも笑顔で登園してくる子どもたちの顔が曇っており、緊張したような表情をしている子もいました。
「今日は鬼がくるよ!」
そう先生たちに告げられた子どもたちは、この日のために作成した鬼の被り物を身に着け、小さなかごに豆を入れて、新聞紙等を投げて、鬼退治の練習をしていました。
「おにはそとー、ふくはうちー」
いつも弾んで聞こえる歌声も、硬くこわばったような歌声に聞こえました。

豆まきの準備をするさくらさん 豆まきの練習をするたんぽぽさん

そして、10時30分。
園内放送で童謡の「まめまき」が流れ出すと――
ガンガン!バンバン!
大きな音とともに、赤鬼と青鬼がやってきました。
手に持った武器を振り回し、どすん、どすんと大股で歩き、教室へ近づいていきます。
最初に鬼を目にしたのは、さくらグループB(年少)さんでした。
みんなで集まって鬼を待ち構えていたさくらさんたちは、赤鬼と青鬼を目にした瞬間、恐怖で目を見開き、きゅっと身を寄せ合ってますます小さな塊になりました。
鬼が教室の扉をがらりと開けます。
「きゃー!」
鬼が手に持っていた武器で、バンバン!と大きな音を出すと、子どもたちは散り散りになって逃げだしました。
手に持った豆を投げることも忘れ、ある子は涙を流しながら、またある子は顔を恐怖で強張らせながら逃げ回ります。
そのうち、1人の子が勇気を出し、
「おにはそとー!」
と必死の形相で豆を投げました。
豆を当てられた鬼はどてっと倒れると、すごすごとさくらさんの教室を後にしました。

赤鬼から逃げるさくらさん

次に鬼が向かったのは、未満児さんたちの教室です。
赤鬼がちゅうりっぷ(0歳児)さんの扉を開けると、目の前に立っていた小さな男の子が泣き出しました。
それをきっかけに、小さなお友達が一斉に泣き出します。
体が恐怖で動かないのか、棒立ちのまま大泣きする男の子の前に赤鬼はしゃがみ込み、顔を覗き込むと、何もしないまま教室を後にしました。

赤鬼を見て大泣きするちゅうりっぷさん

もも(1歳児)さんとたんぽぽ(2歳児)さんたちの教室を覗きに行くと、ちょうど子どもたちが鬼から逃げ回っている最中でした。
「おにをやっつけるの!」
鬼が来る前、そう言いながら笑顔で丸めた新聞紙を投げていた女の子も、涙を流しながら、先ほどまで練習していたことをすっかり忘れた様子で逃げ回っていました。

鬼におびえて固まるたんぽぽさん 赤鬼に追われて泣くたんぽぽさん

中には、力持ちの赤鬼に捕まってしまった子もいました。
「いやー!」
と泣きながら暴れますが、鬼の腕から逃げることはできません。
そのまま自分の教室から鬼が出てしまい、
「どこかへ連れていかれる!」
そう思った男の子の顔からは、絶望が垣間見えました。(その子は隣の教室でそっと下ろされ、筆者が抱っこして教室へ連れ帰りました)

赤鬼に捕まるたんぽぽさん

さくらグループBさん以外の以上児さんたちの教室にも、鬼が向かいます。
さくらグループBさん、ゆり(年中)グループAさんとBさん、それぞれの教室で鬼たちが大暴れします。
青鬼の持つ、プラスチックのおもちゃのバットで背中をちょんちょんと突かれ、必死の形相で逃げだす子、赤鬼に捕まって大泣きする子。
「おにはそと~♪ふくはうち~♪」
童謡「まめまき」の明るい歌声が響く中、阿鼻叫喚の様子がしばらく続きました。

青鬼から逃げるゆりさん 教室の隅に追い詰められるさくらさん 赤鬼に捕まるゆりさん

片方の鬼が教室を出ていって、ほっとするのもつかの間、しばらくするともう片方の鬼がやってきます。
2体の鬼が行ったり来たりするので、きっと子どもたちは生きた心地がしなかったことでしょう。
鬼が教室を行ったり来たりする中で、一度、ゆりグループAさんが入り口で見守る先生たちの腕をすり抜け、教室を飛び出し、ホールへ駆け込む様子も見られました。

教室から飛び出すゆりさん

さて、ゆりグループAさんたちが教室へ戻った後にホールをのぞき込むと、ライオンのたてがみのような被り物を身に着けたすみれさんたちが、びくっとしながらこちらを振り向きました。

集まって鬼を待つすみれさん

「大丈夫、鬼じゃないよ」
そう声をかけると、すみれさんの肩から緊張が少し抜けました。
「さっき、ゆりさんたちがきたよ」
「びっくりした」
「おにもくる?」
口々に報告してくれるすみれさんたちと話していると、扉の所から気配がし、そこから赤鬼が姿を現しました。
赤鬼を目にした瞬間、すみれさんたちは悲鳴を上げ、一斉に逃げ始めます。
「まめをなげればいいんでしょ」
先ほど、そう話してくれた男の子もみんなと一緒に、一目散に逃げだしました。

鬼から逃げるすみれさん

来年小学生のすみれグループさんの脚の速さに翻弄されながらも、赤鬼は子どもたちを追いかけ、ときには集団からはぐれた女の子を隅に追い詰めて怖がらせ、またときには逃げ遅れた男の子を捕まえます。
「いい子にします!いい子にします!」
先生の腕にしがみつき、鬼に向かって必死に叫び続ける男の子もいました。
やがて、子どもたちを追いかけ続けていた赤鬼がバテ始めました。
弱り始めた赤鬼の姿に子どもたちの緊張が少し和らぎだしたその時、ホールの扉から青鬼が姿を見せました。

青鬼から逃げるすみれさん

バンバン!
大きな音が扉の近くでなり、入り口付近にいた子は慌ててホールの奥へ逃げ出しました。
2体の鬼に追いかけられ、すみれさんたちはさぞや怖かったことでしょう。

赤鬼と青鬼から逃げるすみれさん

鬼たちにさんざん追いかけられた園児たちですが、最後には鬼たちと一緒に記念写真を撮りました。
赤鬼青鬼と和解したのか、ほとんどの子どもたちはにこにこ笑顔で写真を撮っていましたが、中にはまだ警戒が解け切っていない、強張った表情の子もみられました。

赤鬼、青鬼と写真を撮るすみれさん

節分の豆まきは、季節の変わり目に起こりやすい病気や災害などを鬼に見立てて、それを追い払う儀式――追儺(ついな)が由来だそうです。
これからも寒い日々は続き、春へ向けて、寒暖差の激しい日々もやってくることと思います。
みやこのじょう児童学園の園児たちが大きな病気や怪我がなく、健やかに過ごせますよう。
きっと、やって来てくれた赤鬼と青鬼もみんなの健康を願っていることでしょう。

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知能算数教室の公開授業(以上児さん編)~令和7年1月18日

  • 2025.01.24
  • お知らせ

明るく澄んだ冬晴れの日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
みやこのじょう児童学園には、「モンテッソーリ教育」と「知能算数教室」という、2つの大きな教育の柱があります。
この日は、柱のひとつである「知能算数教室」の公開授業――参観日が行われました。
「知能算数教室」は高知県に本部がある、「積み木のにっしん」が考案したもので、今回は福岡直営校の室長先生である、浜田先生をお招きして、特別に授業を行っていただきました。
「知能算数教室」は独自の積み木を使用した「知能教室」と、積み木を利用し視覚的に分かりやすく親しみやすい「算数教室」に分かれています。
積み木を使った「知能教室」は1歳から、「算数教室」の方は3歳から開始することができます。

先生のお話を聞くさくらグループさん

1歳児であるももグループさんから始まった、各クラス40分の公開授業。
未満児さんのクラスが終わった後、以上児さんのトップバッターとして、さくらグループ(年少さん)のみんながホールへ入ってきました。
未満児さんのクラスでは、比較的単純な形の積み木を使っていましたが、以上児のクラスへ変わったことで、取り組む課題内容と積み木の形状が難しいものへ変わります。
正面のホワイトボードを基準に、コの字に並べられた机には、2種類の積み木が2つのグループに分けて置かれています。
さまざまな形の木目調の積み木と、色を長方形に組み合わせたカラフルな積み木。
積み重なったたくさんの積み木を目の前にし、さくらさんたちは目をキラキラさせていました。
園長先生のお話が終わると、浜田先生が引き継ぎ、保護者の方へのお話と園児たちへの課題の話をしていきます。
「では、いくよ。よーい、はじめ!」
課題の説明が終わると、さくらさんたちは浜田先生の合図をきっかけに、一斉に積み木を手に取りました。

積み木をするさくらグループさん

以上児さんに用意されたのは、2種類の積み木と、それぞれの積み木を使用する課題です。
積み木の形も未満児さんたちに用意されたものよりも複雑になり、自分の欲しい積み木を探すだけでも一苦労です。
いろんな形をいくつも手に取って試してみたり、じーっと積み木の山を眺めてほしい積み木を探したり、手に持っている積み木を課題と見比べて悩んだり、一生懸命頭を使っている様子が見て取れました。
ですが、さすが以上児さんです。
時間は少しかかったものの、1人ができ始めると、次々に他のお友達も手をあげ始めました。

手をあげるさくらグループさん

未満児さんと違い、保護者の方が近づいても集中が途切れづらいということで、さくらさんからは保護者の方が近くに寄って、子どもたちが積み木に取り組んでいる様子を間近で見ていただきました。
目の前の課題に集中しているお子さんの手元や表情を目にし、驚きなのか目を丸くする保護者や息をのむ保護者、感心したように頷く保護者など、様々な表情を見せながら我が子のがんばりを見守っていました。
さらに、授業が終わって子どもたちがホールを退出したあとには、保護者の方々へ実際に積み木を手に取っていただきました。
中には、子どもたちが取り組んでいた課題へ取り組んでいる方もいらっしゃいましたが、大人でも一筋縄ではいかない課題に、首をかしげたり積み木を何度も入れ替えたり、苦戦している様子もみられました。

積み木をする保護者の方

さくらさんの後はゆりグループ(年中さん)の番です。
いつも元気なゆりさんたちですが、この日はきちんとお椅子に座って、浜田先生のお話が終わるのをじっと待っていました。

先生のお話を聞くゆりグループさん

取り組む課題もさくらグループより少し難易度があがります。
木目調の積み木は枠内にはめる課題が引き続き出されましたが、カラフルな積み木を使う子たちには、四角の枠だけでなく、冊子に描かれた見本通りに形をつくる課題が最初から提示されました。
課題は少し難しくなりましたが、やり遂げるスピードもさくらさんたちより速く、
「できました!」
の大きな声が次々に聞こえ、先生たちは園児たちの対応に追われていました。

積み木をするゆりグループさん

課題の難易度が上がるスピードも速く、木目調の積み木を使っている子たちの中にも、教本の見た目通りに積み木を並べる課題に進む子が多くみられました。
ゆりさんたちの保護者の方にも、授業の後半でお子さんの様子を間近で見ていただきました。
積み木に集中していても、大好きな保護者の方たちが近づいてくるのが分かるのでしょう。
少しそわそわきょろきょろとして、集中が切れそうな雰囲気がありましたが、ぐっとこらえていたようで、何とか集中を切らさずに授業を終えることができました。
ゆりグループの保護者の方々にも、園児たちが退出した後に積み木を触っていただきました。
大人と一緒に、園児たちのお兄ちゃんお姉ちゃんたち――小学生が、夢中になって積み木を触っていました。
中には、みやこのじょう児童学園の卒園児の子もおり、
「なつかしい!」「まだできる!」「どうするんだったっけ?」
など声を出しながら久しぶりの積み木を楽しんでいる様子でした。

積み木をするゆりグループの保護者

最後は年長である、すみれグループさんたちです。
すみれさんたちの課題は、「冊子の絵と同じ形を、冊子の上に置かずにつくる」ことです。
どういうことかというと、冊子は厚紙でつくられており、その見本の絵に積み木を置いて課題を解くことができます。
ただ冊子の絵の上に積み木を置くよりも、冊子の外に、合っているか絵と見比べながら解く方が、難易度が上がるそうです。
冊子を見て、ほしい積み木を探して、置いて、見本と見比べて、また積み木を探す。
間違いに気づいた場合は、どう間違っているのか、どの積み木と入れ替えるのか、考えて、探して、また見比べる。
手と目と頭をフル回転で動かし、みんな集中して課題に取り組んでいました。

積み木をするすみれグループさん

すみれさんたちの後は、保護者の方々の番です。
さくらさんとゆりさんのときは、自由に積み木を触っていただくだけでしたが、すみれさんの保護者の方々には今年が最後ということで、実際に課題へ取り組んでいただきました。
大人ということで、すみれさんたちよりも少し難しい課題が提示されます。
例えば、カラフルな積み木の場合。
見本と同じ色を探して積み木を置いていくのですが、冊子の色と積み木の色を入れ替えます。
赤色は黄色へ置き換え、黄色は青色へ、緑色は赤色へ、など。
ただ積み木を探して置くだけでも大変ですが、考える要素が増えたため保護者の方たちは、うんうん悩みながら課題に取り組んでいました。
限られた短い時間の中、解き終わった方は数人でしたが、皆さん頭をフル回転していたのでしょう、浜田先生の合図で積み木から手を放すと、ふうと大きな息をつく方が多くいらっしゃいました。
楽しかったのか、はたまた課題が終わらず悔しかったのか、中には浜田先生のお話を聞きながら、こっそり問題を解き続ける保護者の方もいらっしゃいました。

積み木をするすみれグループさん

以上児さんたちの公開授業を見て、大人でも難しい課題を「最後まで投げ出さずに取り組む姿勢」に、筆者は感心しました。
壁にぶつかっても、トライ&エラーでチャレンジし続ける姿勢。
「できました」の後に合格がもらえなくても、ふてくされることなく「どうすればいいのか」と頭を働かせ続ける姿。
未満児さんも含め、5クラス分の授業を見学しましたが、
「できない!」「いや!」
などと音を上げる子どもは1人もいませんでした。

積み木をするゆりグループさん②

各クラスの後には、浜田先生から保護者の方へ、10分ほどお話がありました。
以上児の保護者へは、授業の最後に積み木を触ったことを、ぜひ子どもたちへ話して共有してほしい、とお話していらっしゃいました。
子どもたちは保護者の方々が大好きです。
その大好きな保護者の方々に、
「積み木触ったよ」「すごく難しかった」「大人でも難しいことを頑張っているんだね」
などと声をかけてもらえると、とても喜び、さらなる成長の助けになります。
プラスの行動をしたときはすかさず褒め、マイナスの行動をしたときは子どもの人格を否定せずに「どこが良くなかったのか、どうしたらいいのか」を伝える。
「褒めるチャンス」と「伝えるチャンス」を逃さず捉え続けること、それが大切だそうです。
うまい言葉が見つからない場合は、「できたこと、したことを客観的に伝える」それだけでも「自分を見てくれている」という気持ちが生まれ、プラスの方向へ進むそうです。
数年以内に小学校へ進学する以上児さんたちには、小学校入学という大きな環境の変化に負けないよう、幼児期のうちにぐんぐんとできるだけ成長させ、伸ばしたところをいかに定着させるかということが大事だと、浜田先生は伝えていました。

積み木をするすみれグループさん②

「自分の頭で考える力」を大切にしている、積み木のにっしんの知能算数教室。
みやこのじょう児童学園でも、積み木を通じて「自分で考える力」と「最後までやり抜く力」の基礎を育んでいければと思います。
今回は積み木のにっしん、福岡直営校の主任である、浜田先生にお越しいただきました。
お忙しい中、当園へご足労いただき、そしてご教授いただき、ありがとうございました。
この場をお借りして、感謝申し上げます。

「積み木のにっしん」のホームページはこちら

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知能算数教室の公開授業(未満児さん編)~令和7年1月18日

  • 2025.01.24
  • お知らせ

寒さの厳しい日が続きますが、皆様お変わりございませんか。
みやこのじょう児童学園には、「モンテッソーリ教育」と「知能算数教室」という、2つの大きな教育の柱があります。
この日は、柱のひとつである「知能算数教室」の公開授業――参観日が行われました。
「知能算数教室」は高知県に本部がある、「積み木のにっしん」が考案したもので、今回は福岡直営校の室長先生である、浜田先生をお招きして、特別に授業を行っていただきました。
「知能算数教室」は独自の積み木を使用した「知能教室」と、積み木を利用し視覚的に分かりやすく親しみやすい「算数教室」に分かれています。
積み木を使った「知能教室」は1歳から始められます。

ホールに行くももグループさん

当園の1歳児グループである、ももグループから年齢別に40分ずつ、授業が行われました。
正面のホワイトボードを基準に、コの字に並べられた机には、たくさんの積み木が置かれています。
保護者の方が見守る中、ももグループさんが担任の先生たちに連れられて、よちよちとてとてホールに入ってきました。
授業の最初は、園長先生と浜田先生のお話が続きます。
山のような積み木の前、小さい椅子に座ったももグループさんたちは、いつもと違う環境にどこか不安そうな顔をしており、保育士の先生にしがみついている子や泣いている子がちらほらいました。
しかし、浜田先生が「手はあたま」と言うと、ほとんどの子が反射的に手を頭に置き、
「今から、積み木をピッタンこするよ!よーい、はじめ!」
の掛け声で、ちらほらと積み木に手を伸ばし始めました。

先生のお話を聞くももグループさん

詳しい授業の内容はお伝え出来ませんが、みんな積み木は好きなようで、徐々に積み木を手に取って枠内にはめていきます。
1歳児さんのグループですが、浜田先生の指示を理解している子もおり、そういう子はちゃくちゃくと課題をこなしていきます。
ですが、指示通りに進める子はまだまだ少なく、ほとんどは積み木を決められた枠内に、自由につめていきます。
正解か不正解かで問えば、不正解です。
ですが、浜田先生は否定するような言動は一切見せず、
「青色が好きなんだね」「いい模様ができたね」「きれいに同じ形で揃えたね」
など、前向きな声掛けをしていきます。
さらに、迷っている素振りがある子や、動きが止まっている子には、
「赤色はどっち?」「この積み木をいれるのにはどうしたらいいかな?」
など、次の行動を促すためのアドバイスをしていきます。

先生と積み木をするももグループさん

当園の知能算数教室の先生たちも園児たちを見守る中、浜田先生は保護者の方々へ、様々な解説もしていきます。
積み木の選び方から見る、得意不得意の傾向。
同じ色や形で几帳面にそろえた作品と、カラフルにランダムにつめた作品の比較。
積み木の持ち方、つめ方からみえる手や指の発達の度合いなど。
そういった解説をしていきながら、一つ目の課題がスムーズにできているな、と判断できた子には、もう一段階上の課題を提示します。
ですが、浜田先生は課題の説明を全部はしません。
積み木のつめ方のパターンが分かるように数個の積み木を置いただけで、「はい、どうぞ」と子どもたちに渡します。
あとは子どもたちの想像に任せ、それによって「自分で考える力」を育てているそうです。
たとえ間違えていたとしても、決して否定しません。
「いい考え方だね。じゃあ、これはどうかな?」
とさりげなく子どもたちの思考を正解の方へ向け、あとは子どもたちに任せます。

積み木をするももグループさん

積み木の渡し方もひと工夫されていました。
わざと少し遠くに積み木を見せて、子どもたちが自然に腕を伸ばして取れるようにします。
その動きが体のストレッチ――運動になり、「自分で物を取りに行く」という練習になるそうです。
そういった自宅でも簡単にできる、発達を促す働きかけ方も保護者の方々へ伝えていました。
およそ20分経った頃、「ストップ!」と浜田先生の掛け声と手を叩く音が響きました。
その掛け声に気づいて手を止める子もいますが、多くの子は積み木に集中して手を動かし続けます。
すると、授業の始まりと同じように「手はあたま」と声を掛けます。
さらに「ほっぺ」と続けるころには、ほとんどの子が手を止め、最後に「ピシャッ」と言う頃には、全員が手をお膝に乗せていました。
授業が始まったばかりの時はみんな緊張しており、はじめの挨拶では固まっていましたが、終わりの挨拶では表情も和らぎ、ぺこりと頭を下げる子も何人かみられました。
保育士の先生にぎゅっとしがみついて、なかなか積み木を手に取らない子も数人いましたが、最後にはほとんどの子が積み木を握ることができました。
大好きな保護者の方から離れ、馴染みのない先生たちがいるいつもと違う場所の中、きちんとお椅子に座って積み木に取り組む姿。
家では見ることのできないその姿や成長した姿に、保護者の方も感心したことでしょう。

積み木に集中するももグループさん

ももグループさんとその保護者の方々が退室すると、次は2歳児のたんぽぽグループさんたちが入室してきます。
浜田先生のお話の最中も、じっとお椅子に座っていたたんぽぽさん。
「よろしくお願いします」と浜田先生が言うと、「よろしくおねがいします!」と元気にお返事していました。

先生のお話を聞くたんぽぽグループさん

開始の合図と同時に、次々と積み木へ手をのばすたんぽぽさんたち。
浜田先生が保護者の方々へ、園児たちの取り組みの内容を説明していると、
「できました!」
と元気な声があがりました。
保護者の方への説明を中断して浜田先生が駆け寄り、
「できたね!」
とハイタッチします。
その子をきっかけに、次々に「できました!」の声が上がりました。
当園の知能算数の先生たちも、園児たちの声や手が上がるたびに園児たちへ駆け寄ります。
あまりにもたくさんの園児たちが同時に手をあげるため、先生たちの対応が追いついておらず、右手も左手もめいっぱい上げて一生懸命アピールしている子もいました。
浜田先生も保護者の方々への説明が終わると、園児たち一人一人の手元をのぞき込み、必要があれば声掛けやアドバイスをしていました。
課題の難易度の上がり方も速く、限られた時間で用意された4つほどの課題を全てこなしてしまう子もいました。

積み木をするたんぽぽグループさん

たんぽぽさんになると、ももグループの時にはなかった「見本と同じようにつくる」という課題に取り組む子が多くみられました。
机の前方と中央に置かれたいくつかの見本の中から、先生たちが選んだものと同じものをつくるという課題です。
見本は正面の離れているところに置いているため、必然的に手元と正面を交互に見ながらの活動になります。
実はこの動作、将来――小学生以上に上がったとき、黒板の内容を手元のノートに書き込むときの動きと同じになります。
小さい時からこの動作に慣れて、正面を見たときに少しでも多くの情報を整理して取り込む訓練をしていると、黒板の内容をノートに書き写す作業がスムーズにできるそうです。

積み木をするたんぽぽグループさん

課題ができると、浜田先生を含めた知能算数教室の先生たちが答え合わせをしてくれていましたが、もし不正解だった場合は見本と見比べさせていました。
どこが間違えているかは伝えません。
どこが間違っているのか、どう間違っているのか、見本と同じようになるにはどうしたらいいのか、自分で考えさせます。
一見、厳しいようにも見えますが、これも「自分で考える力」を養うためです。
ももグループの時はサポートに徹していた先生たちですが、答え合わせや新しい課題の受け渡しに忙しなく動き回っていました。
あっという間に積み木の時間は終わりを迎え、子どもたちは浜田先生の合図できちんと手を止めます。
実は、このたんぽぽさんたちが1歳児だったとき、去年の公開授業の時は大勢の園児たちが大泣きして、授業がなかなか進まなかったそうです。
浜田先生はそのことを覚えてくださっており、
「すごい!この一年でたくさん成長したんだね!」
と驚いていらっしゃいました。
この一年で大きく成長したたんぽぽさんたちは、最後の挨拶も元気に言えていました。

積み木をするたんぽぽグループさん

筆者が未満児さんたちの公開授業の様子を見ていて印象に残ったのは、子どもたちの表情です。
「できました!」
と笑顔で手をあげて、先生とハイタッチをするときの達成感があふれるキラキラした笑顔。
「こう積み木を置いたら、どうなるかな?」
と浜田先生に問題を出され、眉をひそめて唇をとんがらせて考えている、真剣な姿。
保護者の方々も、ご家庭では見ることのできない姿をたくさん見ることができたのではないでしょうか。
各クラスの後には、浜田先生から保護者の方へ、10分ほどお話がありました。
子どもの成長は早いものですが、特に年齢が小さくなればなるほど、その成長は大きいものです。
その成長をプラスの方向へ向け、よどみないものにするためには、周りの大人からの声掛けが重要になってきます。
成長著しい未満児さんたちですが、個人の成長の差がより大きく感じるのもこの頃です。
「周りの子はもうできるのに、うちの子だけできない」
ついつい周りの子と比べて、一喜一憂してしまいがちです。
浜田先生は「自分のお子さんを他人と比較することはやめましょう」、そう保護者の方へ伝えました。
そして、「比べるのは、過去のお子さんとだけです」そう続けました。
そうすることで、子どもの成長をよりはっきりと感じることができ、保護者の方の不安や焦りも軽減することができます。
その成長を子ども自身に伝えることも大切だそうです。
「昨日はできなかったのに、今日はできたね」
「ここを工夫したんだね。もっとよくなってる」
できるだけ具体的に、そして客観的に伝えることがポイントです。
まだ、大人の言葉を全部は理解できない月齢、年齢でも、「褒められたこと」や「大好きな保護者の方が喜んでいる」ことは分かります。
それらプラスの感情や言葉が、子どものやる気につながり、成長のサイクルを好循環させることができるそうです。
「周りと比較しない」ということはとても難しく、ついつい気にしてしまいますが、もしもご自分のお子さんと周りの子どもを比べてしまいそうになったときは、一息ついて、頭の中から一度考えを追い出して、「前のこの子はどうだったかな」と、過去のお子さんと今のお子さんを見比べてみてください。

退出するたんぽぽグループさん

「自分の頭で考える力」を大切にしている、積み木のにっしんの知能算数教室。
みやこのじょう児童学園でも、積み木を通じて「自分で考える力」と「最後までやり抜く力」の基礎を育んでいければと思います。
今回は積み木のにっしん、福岡直営校の主任である、浜田先生にお越しいただきました。
お忙しい中、当園へご足労いただき、そしてご教授いただき、ありがとうございました。
この場をお借りして、感謝申し上げます。

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稲荷神社へ初詣に行きました~令和7年1月6日

  • 2025.01.09
  • お知らせ

明けましておめでとうございます。謹んで新春のお喜びを申し上げます。
1月6日に冬休みが明け、みやこのじょう児童学園のお友達が元気に登園してきてくれました。
玄関先で先生から新年の挨拶をされると、きょとんとする子、たどたどしく返事をする子など、みんな様々な反応を見せていました。
休み明けで気持ちや体が重たい園児もいたかもしれませんが、みんな大きな怪我や病気がなく、元気な姿を見せてくれたことを嬉しく思います。
以上児さんは園の近くにある「稲荷神社」へ、みんなで初詣に行きました。
階段を上って鳥居をくぐり、本殿へお参りをしにいきます。
縦割りのクラスごとにお参りをしていると、ちょうど神主さんがいらっしゃったそうです。
親切な神主さんはお祓い棒(大麻―おおぬさ)を持ってきてくださり、園児たちの頭の上でふって、簡単ではありますがお祓いをしてくださいました。
子どもたちはぺこりと頭を下げて神主さんのお祓いをうけていましたが、順番を待っている園児たちはお友達の頭の上で、ばさばさと翻るお祓い棒を興味深そうに眺めていたそうです。

お祓いをしてもらう以上児さんたち お祓いをしてもらう以上児さんたち② お祓いをしてもらう以上児さんたち③ 本殿の前で記念写真をとる以上児さんたち 本殿の前で写真を撮る以上児さんたち②

初詣から始まった一週間。
次の日には、「お芋ほり」をさせていただいた畑へ再度お邪魔して「大根掘り」をさせてもらったり、自分たちで凧をつくって公園へ「凧あげ」をしにいったり。
天気にも恵まれて、園児たちは毎日、園での生活を楽しんでいるようです。

大根を抜く以上児さんたち 大根を抜く以上児さんたち② 大根を抜く以上児さんたち③ 自分たちの凧を見せる以上児さんたち 自分たちの凧を見せる以上児さんたち② 凧あげをする以上児さんたち

2025年も園児たちと保護者の皆様にとって、実りの多い一年になりますよう。
みやこのじょう児童学園の職員一同、心からお祈り申し上げます。

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おもちつきをしました~令和6年12月20日

  • 2024.12.26
  • お知らせ

年の瀬も迫ってまいりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
年末を迎えたこの日、みやこのじょう児童学園では「おもちつき」が行われました。
朝早くから先生たちが園庭でもち米を蒸しており、焚き木の燃えるにおいともち米のいいにおいが漂っていました。
いつもと違う朝にわくわくしている子どもたちは、いそいそと園庭へ集合します。
この日は先生たちだけでなく、保護者の方々も数名、お手伝いに来てくださいました。
先生のお話の後、石臼にあつあつのもち米が入ります。
もくもくと立ち上る湯気の中、お父さんたちが杵でもち米を捏ねていきます。
もち米がまとまってくると、杵を大きく振りかぶって、勢いよくもちを搗きだしました。
「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」
と声を掛け合いながら、力強く、素早くもちを搗きます。

お父さんたちのもちつき

お父さんたちを応援するかのように、園児たちは手を叩きながら、
「がんばーれ!がんばーれ!」
と大きな声をあげます。
園庭にはもちを搗く音、お父さんたちの掛け声、園児たちの応援の声がしばらく続きました。

応援する園児たち② 応援する園児たち 応援する園児たち③ もちつきを見るちゅうりっぷさん

おもちを搗くのはお父さんたちだけではありません。
エプロンと三角巾を身に着けたすみれ(年長)さんたちが、園児を代表して、交代しながらもちを搗きました。
重たい杵と杵に張り付くもちの感触に戸惑いながら、すみれさんたちはひと搗きずつしっかりともちを搗きました。

もちをつくすみれさん もちをつくすみれさん②

搗きあがったもちは、先生たちと保護者の方が素早く丸めていきます。

もちを丸める先生と保護者達

小ぶりな丸もちはたんぽぽ(2歳児)さん以上の園児たちに配られました。
醤油、あんこ、きな粉。
園児たちはお皿の上のおもちに、各自好きなものをつけて食べていました。
以上児さんたちの中には、3つの味を全て食べた子もいました。
搗きたてのおもちは柔らかく、びよーんと伸びます。
その感触を楽しみながら、園児たちは満足するまでおもちを食べました。

もちを食べる園児たち もちを食べる園児たち

園児たちが教室へ帰ったあとも、保護者の方と先生たちのもちつきは続きます。
白いもちを搗き終わると、次に都城の郷土料理である「ねったぼ」を作ります。
ねったぼはもちと蒸したさつまいもを搗き合わせたものに、きな粉をまぶしたものです。

ねったぼ作りの様子

搗きあがったねったぼは小さなサイズに丸められ、白もちはぜんざいの具材として、以上児さんと先生たちのおやつに提供されました。
午前中からおもちを食べて、給食も食べて、おやつにもおもちを食べて、この日はみんなおなか一杯になったことでしょう。
たくさんできた白もちは、園児たちと先生たちへのお土産にもなりました。

丸め終わったもち

発表会におもちつき、クリスマス誕生会と、12月のイベントを楽しんだ園児たち。
今年ももう早いもので年の瀬、園児たちは短い冬休みに入ります。
冬休みはどんな日々を過ごすのでしょうか。
年明けの園児たちがどんな表情で登園してくるのか、今から楽しみです。
今年も大変お世話になりました。
来年も園児たちの健やかな成長を見守り、支えていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。

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消防士をお招きしての避難訓練をしました~令和6年12月17日

  • 2024.12.23
  • お知らせ

クリスマスのイルミネーションで、町が鮮やかに彩られる頃となりました。
この日は消防士をお招きしての避難訓練が、みやこのじょう児童学園で行われました。
火事を想定しての避難訓練で、「ウゥ~~~」というサイレンが鳴ると、園児たちは煙を吸い込まないよう口を押えて先生の指示に従い、園庭を目指します。
園庭に集まると、消防士さんが前に立ってお話しました。
その後、園庭の門から大きな消防車がゆっくりと入ってきます。
本物の消防車を目にし、園児たちは歓声を上げていました。
消防車が園庭に到着すると、消防士さんによる消火のデモンストレーションが始まりました。
ポンプを伸ばし、筒先を手にして構えると、ポンプの先から大量の水が噴き出します。
大量の水を大きな力で放水するので、反動の力に負けないよう、消防士さんは脚をどっしりと構えていました。
本物の消防車とそのホースから出てくる大量の水に、園児たちは大興奮でした。

消防士の話を聞く園児たち 消防車の放水を見学する園児たち

放水のデモンストレーションが終わった後は消防士さんの話を聞き、消防車と一緒に写真を撮りました。
さらに以上児さんは、消防車の運転席にも乗せてもらうことができました。
消防士さんが園児を一人一人抱き上げて、運転席に乗せてくれます。
消防車の運転席は広くてハンドルも大きく、普段乗っている車に比べて座席もぐんと高くなります。
その高さや大きさに園児たちは興奮し、大喜びでした。
他にも、消防車の側面にあるスイッチやホース、いろいろな部品を間近で見せてももらいました。

消防車の見学をする園児たち 消防車に乗る園児たち 消防車に乗る園児たち② 消防車を記念写真を撮る園児たち 消防車と記念写真を撮る園児たち②

普段なかなかじっくりと目にすることのない消防車の放水を見ることができたり、様々なパーツや部品を見せてもらったり、運転席に乗せてもらったり、園児たちには貴重な、とても良い経験になったことでしょう。

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2歳児以上の発表会が行われました~令和6年12月7日

  • 2024.12.09
  • お知らせ

一段と寒さも厳しくなってきましたが、真冬のすっきりとした青空を見上げると心も晴れ渡るようです。
さて、みやこのじょう児童学園では12月7日に大きなイベント、「生活発表会」がありました。
当園は2回に分けて発表会を行っておりますが、今回は2歳児から5歳児までの園児たちが、「都城市総合文化ホールMJ」(以下、MJホール)にて発表会を行いました。(0歳児と1歳児の発表会はみやこのじょう児童学園にて、12月14日に行われます)
ホールの開場とともにMJホールへ集まった園児と保護者達。
保護者の方たちは子どもを集合場所へ送り届けたのち客席へ、園児たちは先生に連れられ順番に舞台袖へ向かいます。
客席へ向かうと、我が子の勇姿を今か今かと待ちわびる保護者のワクワク感が、客席いっぱいに満ちていました。
さあ、いよいよ生活発表会の開演です。
すみれグループ(年長)さんの「はじめのことば」が終わると、トップバッターで登場したのはたんぽぽグループ(2歳児)さんたちです。
幕が上がると、サンタ帽子をかぶったたんぽぽさんたちが姿をあらわしました。
その可愛らしい姿に、客席の保護者から「わあ!」と声が上がりました。
各々、鈴、タンバリン、トライアングル、カスタネットを小さな手に持ち、クリスマスの歌のリズムに合わせて楽器を奏でます。
リズムよく楽器を叩く子、リズムを追い越してマイペースに楽器を叩く子。
それぞれ楽器の奏で方に個性は出ていましたが、泣き出してしまう子や棒立ちする子は1人もおらず、みんな楽しそうに歌いながら楽器を奏でていました。
2曲目の歌も簡単なダンスを踊りながら上手に歌えており、客席の端までその歌声は届きました。

たんぽぽさんのオープニング

次はすみれグループによる英語劇です。
グリム童話のある話のセリフを全て英語に置き換えての劇です。
この英語劇は、英語教室の講師の先生の指導の下、練習してきました。
すみれさんたちは一言一句間違えることなく、大きな声ですらすらと英語でのセリフを口にしていました。
さらに、場面転換のときには先生たちに交じって、自分たちでも小道具を持って移動していました。
劇はスムーズに進んでいましたが、やはり慣れない英語のセリフに緊張していたのでしょうか。
カーテンコールのダンスでは、劇のときよりもリラックスして踊っている様子が感じられました。

すみれさんの英語劇

英語劇の後は「園長先生のあいさつ」を挟み、たんぽぽグループの見せ場が続きます。
最初はたんぽぽグループBさんです。
王子様とお姫様の格好をしたたんぽぽさんたちが、可愛らしい曲調のポップスに合わせて踊ります。
最初、いつもと違う環境にびっくりしたのか、女の子が一人うずくまっていましたが、先生に促されると立ち上がってみんなと一緒に踊り始めました。
それ以外は特にトラブルもなく、みんな上手に踊っていました。

たんぽぽBのダンス

次はたんぽぽさんからひとつお姉さんになった、さくらグループ(年少)さんの女の子たちによるダンスです。
チアガールの衣装に身を包み、金と赤のポンポンを手に持ったさくらさんの女の子たちが、たんぽぽさんたちにお手本を見せるかのように上手に踊ります。
照明を浴びてキラキラ輝くポンポンや光沢のあるスカートが華を添えて、さくらさんの女の子たちのかわいさが際立っていました。

さくら女子のダンス

3番目はたんぽぽグループCさんのダンスです。
水兵さんと赤いワンピースを着たたんぽぽさんたちが、スタジオジブリの楽曲に合わせて踊ります。
元気いっぱいに踊るたんぽぽさんたちの中には、ジャンプをする場面ではめいっぱい飛び跳ねている子もいました。
大きく振り付けを踊る子、もじもじして動きが小さくなる子。
同じ振り付けでもみんなそれぞれの個性が分かるダンスを見ることができました。

たんぽぽCのダンス

たんぽぽさんのプログラムの最後を飾るのは、たんぽぽグループAさんたちです。
ステージ中央に設置されたピンクの門から、音楽に合わせて順番に出てきます。
練習のときは想定された時間内に移動することが難しく、先生たちと一緒に何度も練習をしたり、時間を調整したりしている様子がみられましたが、本番ではみんな想定された時間内に決められた場所まで移動することができていました。
水色とピンクを基調とした衣装もばっちり似合っており、上手に踊れていました。
ここまでで、たんぽぽグループさんの出番は終わりです。
保護者の皆様もそうだとは思いますが、筆者もたんぽぽさんたちの舞台を見ていて、園児たちの大きな成長を感じました。
運動会のダンスのとき、隊列移動は先生たちに助けてもらいながら行い、周りの様子が気になって踊れない子もいました。
しかし、発表会では隊列移動を自分たちで行い、お友達との間隔も自分たちで気を付けることのできる子もおり、ダンスも全員が踊れていました。
運動会からの2か月と少しで、とても大きく成長したたんぽぽグループさんたち。
あと数か月して春になれば、制服を着て、未満児さんの教室から以上児さんの教室へ移動します。
春までにも、さらに成長するでしょう。
たんぽぽさんたちの活躍を見ていて、これからの成長が楽しみになりました。

たんぽぽAのダンス

休憩をはさんだ後は、以上児さんたちの出番です。
当園ではモンテッソーリ教育を行っているので、学年別のグループのほかに、年少さんから年長さんまでの縦割りのクラスも存在しています。
発表会の後半に行われる劇は縦割りのクラスで行いました。
「そら組」「ほし組」「つき組」「にじ組」「ゆき組」の5つのクラスがそれぞれ、グリム童話や日本も含めた各国の昔話の劇を行います。
どのクラスの園児たちも忘れることなくスムーズにセリフを言い、先生たちがつくった背景や小道具、衣装も園児たちの演技を一層魅力あるものにしていました。
演技も力の入ったものがあり、中でも魔王やいじわるな女王など、悪役たちの演技が特に際立っていたと感じました。
その他にも、誠実な村人や青年たち、可憐な姫や村娘、かわいらしい動物たち、威厳のある神や王など、みんなそれぞれ自分たちの役割を理解しており、素晴らしい演技をしていました。
各劇の最後にはカーテンコールのダンスもあり、演者である園児全員が色とりどりな個性ある衣装を着てダンスをするので、目に華やかで見ていてとても楽しかったです。

長ぐつをはいた猫 アリババと40人の盗賊 金のがちょう 白雪姫 天の岩戸

そして学年別に、さくらグループさんの男の子たち、ゆりグループ(年中)さん、すみれグループさんのダンスもありました。
劇の合間にあった、さくらグループの男の子のダンスは、王様になりたいライオンの子を表現したものでした。
しっぽのついた金色の衣装に身を包み、元気いっぱいに踊るさくらさんたちは、まさに子ライオンのようでした。
途中、たてがみの頭飾りを各々つけて再度登場したときは、そのかわいらしさに客席の保護者から笑みがこぼれました。

さくら男子のダンス

劇が終わると、ゆりグループさんたちのダンスが始まりました。
ゆりグループさんたちのダンスは、男の子たちが女の子たちに愛を告白するというストーリーの感じられるものでした。
途中、男の子たちが舞台の左右にある花道に分かれて広がると、移動する我が子を追いかけるため、構えられたカメラやスマートフォンがあちらこちらへ向けられました。
ダンスの後半、男の子たちが小道具をステッキから小さな花束に変え、その花束を捧げて愛を告白し、女の子たちがハートの描かれたカードを掲げて愛を受け取る場面はとても可愛らしいものでした。
花束とハートの杖を掲げた最後のポーズも決まっており、会場からは拍手が沸きました。

ゆりさんのダンス

発表会のトリを飾るのは、すみれグループさんのダンスです。
これまでのダンスで使用された、ポップな雰囲気や可愛らしい雰囲気の曲とはがらっと変わる、三味線とロックが融合したようなかっこいい曲調の選曲でした。
和風の衣装に身を包んだすみれグループさん。
曲が始まると、まずは男の子たちが左右の花道に分かれて登場し、次に女の子たちが中央の舞台に登場しました。
それぞれ踊ったのち、男の子たちは一時退場、女の子のみのパートになります。
そして、女の子たちと入れ替わりで扇子を持って再登場した男の子たち。
ここから、男の子たちの見せ場が始まります。
中心に縦一列で並ぶと、2人ずつ左右に分かれて側転をします。
男の子たちの見事な側転に、会場からはどよめきの声が沸きました。
そこからはラストに向けて、全員でのダンスです。
アップテンポでかっこいい曲調に合わせて、ダンスの振り付けも細かい動作や速い動きなどありましたが、みんなしっかりテンポに合わせて踊り、動きのメリハリもついていました。
40人近くのすみれさんたちがみせる一糸乱れぬダンスや隊列移動に、会場の保護者の方たちも引き付けられるように見入っており、「ハッ!」と最後のポーズとともにすみれさんの掛け声が響くと、会場からは大きな拍手が送られました。

すみれさんのダンス

すみれさんの代表たちによる、「おわりのことば」で令和6年度のみやこのじょう児童学園の生活発表会は終演しました。
熱気冷めやらぬ会場からホールに出ると、さくらグループさんから順番に家族のもとへ帰っていきました。
園児の顔は大舞台をやり終えた達成感と満足感に満ちていて、その表情を見つめる保護者の方々からも我が子の成長を喜び、がんばりを労わる優しくて温かな雰囲気を感じられました。
園児たち一人一人が成長したことに加え、運動会という大舞台を数か月前に経験したからでしょうか。
発表会でのダンスは運動会のものよりも少し難しくなっているにも関わらず、その完成度は運動会のものよりも高かったように感じます。
劇ももちろん素晴らしいものでした。
泣く子はおらず、大きく間違える子もおらず、みんなが一丸となって一生懸命練習してきた成果が大きな実を結んだ、そんな発表会だったと思います。
運動会、発表会と大きな舞台をやりとげ、大きく成長した園児たち。
これからは春に始まる次のステップへ向けた、新たな成長の過程が始まります。
大きなイベントはなく、寒さに耐えて春への準備をしている木の芽のように、じっくりと成長していく時期になるでしょう。
みやこのじょう児童学園では、そんな小さな日常での成長も大切にし、園児たち一人一人の成長をこれからも手助けしていきたいと思います。

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給食をつくる給食室の様子~令和6年11月19日

  • 2024.11.19
  • お知らせ

秋も深まり、日が短くなってまいりました。
前回の記事では「スポーツの秋」にちなんで、体操教室の様子を投稿しました。
今回は、「食欲の秋」にちなんで、給食室の様子をお届けしたいと思います。
みやこのじょう児童学園が開園するのと同時に、給食室での仕事も始まります。
この日の献立は、朝おやつに「みかん」、お昼が「魚のフライ、豆腐とにらのスープ」、3時のおやつが「ぜんざい、せんべい」です。
まずすることは、未満児さんの朝おやつの準備です。
未満児さんの年齢と月齢に合わせて、みかんを切っていきます。
みやこのじょう児童学園では、未満児さんは食べやすいよう、半分にカット。
ちゅうりっぷさん(0歳児さん)は月齢や発達度合いに合わせて、一粒を半分にカット、または薄皮をむいてのみじん切りで提供しています。

みかんをむく給食室の先生 ちゅうりっぷさんのみかん

また、この日はおやつのぜんざいのために小豆を朝から炊いており、厨房に小豆のいい匂いが漂っていました。
8時を過ぎると、八百屋さんや肉屋さん、魚屋さんが商品を届けてくれます。
お野菜は段ボールに数箱届き、「魚のフライ」のために、約250切れの魚の切り身が届きました。

届いた魚の切り身

朝にお米も洗って炊飯器にセットしており、お米は毎日40合以上炊いています。
野菜は届いたら仕分けをします。
主菜に使うのか、副菜に使うのか、おやつに使うのか。
金曜日には土曜日の分も届くので、その分は別に分けて冷蔵庫に保管します。
仕分けが終わったら、下処理です。
皮をむいたり、ヘタを取ったりしたあとに切っていきます。
この日は切る野菜が少なかったのですが、多い日は数キロの野菜を切っていきます。
ニラだけでもこの量になります。

ニラの束 ニラを切る給食の先生

離乳食は担当の者が作ります(担当は週替わりです)。
その日に届いた新鮮な野菜を極力使用していますが、足りない場合は冷凍の野菜を使用します。
離乳食の中期、後期の子が現在在籍していますが、使用できる野菜や肉魚、調味料を駆使して、できるだけ材料や味付けのかぶりがないように心がけて作っています。

離乳食をつくる給食の先生 鍋で炊かれている離乳食

さて、メインの「魚のフライ」に焦点を戻しましょう。
まずはバッター液をつくります。
数キロの卵液、薄力粉を使用しています。
当園では卵アレルギーの子が数人いるので、まずはアレルギーのある子用にバッター液を別につくります。
使用する材料は薄力粉と水、塩です。
卵抜きのバッター液で衣を付けたら、先に卵抜きのフライを揚げます。
揚げあがったフライは、卵が入っているバッター液が届かない場所に蓋をして保管しておきます。
その後は、未満児さんのフライからどんどん揚げていきます。
200切れ以上のフライになると、かなり時間がかかり、1時間以上揚げつづけなければなりません。
衣をつける人、揚げる人に分かれて、ひたすら揚げていきます。
この日のフライにはゴマのソースもついていたので、合間にゴマのソースも作っていました。
揚げ終わったフライはクラスごとにバットへ並べられますが、未満児さんのフライは食べやすいよう切って提供しています。

バッター液をつくる給食室の先生 フライの衣をつける給食の先生 フライを揚げる給食の先生

次はスープの方を見ていきます。
この日のスープは、豆腐、ニラ、かまぼこ(卵不使用)、もずく、コーンを使用したシンプルなものです。
日によっては、野菜がたくさん入る具だくさんの汁物もあります。
幼児200人ほどの汁物になると、一抱えもある大鍋いっぱいの量になりますが、おかわりもたくさんするので、予備の分を除いて余ることはほとんどありません。

大鍋に入った汁物 並ぶ大鍋

10時半近くになると、ご飯の炊けるいい匂いがし、おかずや離乳食ができあがります。
当園はモンテッソーリ教育を取り入れており、子どもたちが自分でおかずを取り分けるので、一つ一つのお皿に盛りつける工程はありません。
その代わり、お鍋や小皿、ボウルに、クラスごとにおかずを取り分けていきます。
離乳食だけはお皿に盛りつけるので、10時半からは一気に離乳食の盛り付けをしていきます。
中期、後期の子は別に作った離乳食を盛りつけ、ご飯も軟飯や五分粥を提供します。
完了期の子たちにはみんなと同じものを提供していますが、発達の度合いに合わせて切ったり刻んだりして提供しています。
そして、アレルギーを持っている子たちの分もこの時間に用意します。
除去食がなく、みんなと同じ給食の日でも、必ず一人分ずつお盆に分けています。
この日は「魚のフライ」に卵除去のものがあるので、フライだけ分かりやすいようみんなとは違うお皿に盛り付けてあり、ラップもしていました。

アレルギーの子用の除去食

11時に離乳食をクラスへ届けるのと同時刻くらいに、姉妹園「みやこのじょう児童学園ひまわり」の先生がひまわりの分の給食を取りに来ます。(ひまわりの給食はこちらで作っています)
その後からは、未満児さん、以上児さんの給食の準備です。
未満児さんの分は、ご飯はボウルに、スープは小鍋に、フライはバットへ分けます。
お盆の上へクラスごとに並べたら、11時過ぎにクラスの先生が給食を取りに来ます。
そのときに、アレルギー対応食の確認を給食室でダブルチェックして、担任の先生へも確認しながら渡していきます。(0歳児のクラスにはアレルギーの子はいません)

未満児の給食を持っていく先生

以上児さんたちの給食も同じようにします。
スープは鍋に入れて、フライはバットに並べますが、ご飯だけはこちらでつぎ分けます。(未満児さんもご飯はクラスで先生が次ぎ分けています)
普段はお料理モンテッソーリの一環で2クラスほどご飯を別に炊いていますが、今は発表会の練習に集中するため、お料理モンテはお休みしているので、以上児さん全クラス分、給食室でついでいます。
約120人分のご飯を次ぎ分けている間に、未満児さんクラスの先生たちの給食も用意します。
11時半を過ぎると、以上児の先生がランチルームで給食の準備を始めます。
机を並べたり、数えて出してある食器をクラスの場所へ並べたり、おかずを並べたりなど。
12時前になると、以上児さんがクラスごとにやってきます。
「きょうのきゅうしょくなにー?」
「フライだ!」
「カレーじゃないの?」
など元気におしゃべりしながらやってくるので、ランチルームが一気ににぎやかになります。

以上児の給食の様子

以上児さんが給食を取り分ける様子を視界の隅で確認しながら、以上児の先生たちや事務の先生の給食を準備しますが、同時進行で片づけとおやつの準備を始めます。
使用した調理器具等を洗ったり、炊飯器のお釜を洗ったり、床掃除をしたりなどなど。
この日のおやつは「ぜんざい、ぜんべい」なので、おやつの準備としては、小豆の入った大鍋をコンロに戻して再度炊き始めたり、おせんべいの数をクラスごとに数えたりといったことをしていました。
さて、12時に「いただきます」をして食べ始める以上児さんたちですが、早い子は10分ほどで食べ終わって食器を片づけにきます。
それから約1時間、ひたすら食器を洗う時間が始まります。
以上児さんたちの食器に未満児さんたちの食器、合間に先生たちの食器やコップなど。
250人分の食器を洗うのは重労働です。
ですが、時折かかる、
「ごちそうさまでした!」
「おいしかったです!」
「きょうのおやつなーにー?」
という子どもたちの声にも、食器を洗いながら笑顔で対応してくれていました。
13時過ぎ、全ての食器を片付け、0歳児さんの先生の給食も出し終え、おやつの準備が大体済んだところで、ようやく給食の先生たちもお昼ご飯を食べます。

食器を洗う給食の先生

お昼ご飯を食べ終わった後は、大きな乾燥機の中で乾かしていた食器類の片付けや、0歳児さんの先生たちの食器の片付け、おやつで使うコップやお盆の準備をします。
14時半になると、ひまわりの先生が再度来てくれ、ひまわりの子たちのおやつを持っていきます。
そして15時になると、未満児の先生や以上児の先生たちがおやつを取りに来てくれます。
保育士の先生たちも各クラスでおやつを食べ、給食の先生もおやつを食べて一息つきますが、15時半からは再度洗い物や片付けの時間です。
そうしておやつ後の洗い物や一日の片付けを終え、16時半には給食室は閉まります。

準備されたおやつ

これがみやこのじょう児童学園の給食室の一日で、午前中は調理中心、午後は片付け中心で動いています。
献立は都城市から頂いているものを使用させていただいていますが、園の行事等に合わせて調整しています。
(この日の給食の写真です。この日は特別野菜が少ない献立でしたが、いつもは野菜がたっぷりです。)

今日の給食

子どもたちが健やかに成長していくための大事な要素が食事――毎日食べている給食です。
0歳児の子たちには月齢や発達段階に合わせた、食べやすく栄養満点な離乳食をつくるよう心掛けています。
アレルギーを持っている子たちには、第一に安全な、そしてできるだけ他の子たちと同じような見た目の、味も美味しい給食を提供しています。
そしてもちろんみんなが食べる給食も、安全で新鮮な食材を使った、栄養満点の給食を毎日作っています。
美味しい給食をしっかり食べて、これからもすくすくと成長していってほしいと願っています。

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体操教室の様子(かみむらスポーツ教室)~令和6年11月6日

  • 2024.11.06
  • お知らせ

秋も深まり、日が短くなってまいりました。
「スポーツの秋」ということで、この日は「かみむらスポーツ教室」の講師による、体操教室の様子を見に行ってみました。
澄み渡った秋晴れの中、みやこのじょう児童クラブの園庭にまずはさくらグループ(年少)さんが集まりました。
ウォーミングアップとして、まずは「追いかけっこ」を行います。
2人1組で手をつないで、お友達と一緒に先生から逃げます。
さくらさんたちは「きゃー」と悲鳴を上げながら、嬉しそうに先生から逃げていました(中には、真顔で必死に逃げている子もいましたが)。
逃げている途中でお友達にぶつかったり、靴が脱げてしまったりと小さなトラブルもありましたが、みんな楽しそうな様子で「追いかけっこ」に取り組んでいました。

追いかけっこをするさくらさん 追いかけっこをするさくらさん

ウォーミングアップで体がほぐれると、4つのグループに分かれて、「大縄跳び」の練習をしました。
ただし、いきなり回っている縄を跳ぶのではなく、スモールステップで少しずつ段階をあげていきます。
まずは、止まっている縄をぴょんと跳びこす練習、横揺れ、縦揺れの縄を跳びこす練習。
そして、縄を揺らしている先生の方を見て、体の横からやってくる縄を跳びこす練習。
そうやって少しずつ段階をあげて、「大縄跳び」の動作へ近づけていきます。
運動神経の高い子や活発な子は、得意げに高いジャンプをして列に戻っていきますが、運動が苦手な子もいます。
そういう子には、先生がアドバイスを投げかけ、できるまで何回か跳ばせてくれていました。

縄跳びの練習をするさくらさん 縄跳びの練習をするさくらさん

「大縄跳び」の練習の後は、ちょっとしたゲームをしました。
青、黄色、赤、3色の信号の色を使ったゲームなので、この場では「信号ゲーム」と呼んでおきましょう。
大きな長方形の中に全員入ると、先生が3色のうちのどれかを言います。
「あお!」
と言われたら、一歩前へ進みます。
「きいろ!」
はその場で立ち止まって、「きょろきょろ」と左右を見ます。
そして、「あか!」
と言った後には先生が追いかけてくるので、先生に捕まらないよう長方形の中まで走って戻ります。
さくらグループさんはこの「信号ゲーム」をするのが初めてのようでした。
先生の説明を聞いた後、最初の「あお!」で一歩前へ出ました(中には2、3歩進む子もいました)。
「あお!」の合間に数度「きいろ!」が入り、そのときは左右を見るのですが、「きょろきょろ」と言いながら左右を見るさくらさんたちは、とても可愛らしかったです。
何度も「あお!」とフェイントも交えながら言われ、園庭いっぱいに園児が広がったころ、「あーー……か!」と先生が大きな声で言うと、子どもたちは「きゃー!」と高い声をあげながら慌てて長方形の中へ戻っていました。
以上児さんの中では一番小さいさくらさんたちでしたが、子どもたちの体の発達に合わせた体操に、始終楽しそうに取り組んでいました。

「信号ゲーム」をするさくらさん

さくらグループさんたちの次は、ゆりグループ(年中)さんたちです。
当園で一番元気なゆりグループさんは、先生に呼ばれると、元気いっぱい、みんな一斉に駆け出して列をつくっていました。
ゆりさんたちのウォーミングアップは「リズム跳び」です。
先生が流してくれるアップテンポな明るい曲に合わせて、さまざまな跳び方をします。
前向き跳び、頭と肩に交互に手をつきながら、後ろ向き、3回目のジャンプでしゃがむカエル跳びなどなど。
中にはジャンプが苦手そうな子もいましたが、ノリノリの音楽にテンションが上がり、転んでも、尻もちをついても、みんな楽しそうに跳んでいました。

リズム跳びをするゆりさん リズム跳びをするゆりさん リズム跳びをするゆりさん

ウォーミングアップの後は、ゆりグループさんも「大縄跳び」にチャレンジです。
さくらグループさんと同じように、スモールステップを踏みながら、「大縄跳び」の動作へ近づけていきます。
ゆりグループさんからは、縄を前へ跳びこさず、来る縄を待ってその場でジャンプをする動作も入りました。
これがなかなか難しいようで、目印に置かれた赤い印から「動かないで、その場で跳ぶんだよ」と言われても、ついつい無意識に前へ跳びこしてしまう子がたくさんいました。
それでも何度か繰り返すうちに、その場で縄を跳べるようになる子が何人も出てきました。
そして、いよいよ縄を回しての縄跳びにチャレンジです。
先生の説明を聞いていた子どもたちは、最初「かんたんでしょ!」「よゆー」と呟いていましたが、いざ練習が始まると、苦戦している様子が見られました。
回ってくる縄を見すぎて跳べない子。
「縄じゃなくて、先生を見るんだよ」と言われた後、先生を見すぎて縄が意識の外にいってしまう子。
縄跳びが得意そうな子は、何度か練習をした後、連続して跳べるようになっていましたが、なかなか跳べずに表情が暗くなってしまう子もいました。

縄跳びの練習をするゆりさん 縄跳びの練習をするゆりさん 縄跳びの練習をするゆりさn

ですが、最後に行った「信号ゲーム」で、その暗い表情も吹き飛びました。
もうルールを知っているゆりさんたちは、リラックスした様子で楽しそうにゲームに取り組んでおり、わざわざ捕まりやすい先生の前へ行ったり、先生のフェイントに引っ掛かったりしていました。

「信号ゲーム」をするゆりさん

最後はすみれグループ(年長)さんです。
来年小学一年生のすみれさんたちは、ぴしっと前ならえで綺麗に整列して先生の前へ集まりました。
すみれさんたちのウォーミングアップも「リズム跳び」です。
ノリノリだけど、ランダムに跳んでいたゆりグループさんたちと違い、すみれさんたちはちゃんとリズムに乗って、先生の合図に従って綺麗にスタートしていきます。
動作もゆりグループより難しいものが増えており、中には苦戦している子もいました。

リズム跳びをするすみれさん リズム跳びをするすみれさん

すみれさんたちの「大縄跳びも」、難易度の低いものからしていきます。
ですが、さすがのすみれさん。
ぴょんぴょんと軽く縄を跳びこえていきます。
すぐに回っている縄を跳ぶ段階へ進み、10回も跳んでいる子もいました。

縄跳びの練習をするすみれさん 縄跳びの練習をするすみれさん

「大縄跳び」の後は、初めてのドッジボールにチャレンジしました(子どもたちの前では「あてっこゲーム」と言っていました)。
初めてのドッジボールということで、ルールをもっとシンプルにして、とにかく当てたら1点(頭セーフやワンバウンドセーフは無し)、外野は先生というルールで行いました。
始めはボールに当たるのが怖い様子で、逃げるばかりでしたが、一人の子がボールを取ると、他の子もボールを取ることにチャレンジしだし、相手チームへボールを投げ返していました。
そうして1回目はルールと、お友達にボールを投げていいことに慣れる回になりました。
2回目からはドッジボールらしくなってきて、子どもたち同士でボールを投げあう様子も見られ、逃げるのも上手になっていました。
ボールがぶつかってくる恐怖心も和らいだ様子で、1回目はボールがぶつかるとびっくりした様子でしたが、次第にボールが当たっても痛がったり、怖がったりする様子がなくなっていました(ボールは柔らかいものを使用しています)。
すみれグループになると、ルールが複雑になるゲームやチームワークが必要なゲームも取り入れていますが、みんなきちんとルールを理解して、先生からのアドバイスもすぐに飲み込んで、ゲームを楽しんでいました。

ドッジボールの練習をするすみれさん ドッジボールの練習をするすみれさん ドッジボールの練習をするすみれさん

体の発達には、月齢や年齢にあった運動が欠かせません。
みやこのじょう児童学園では外部のスポーツ教室講師の方と一緒に、体の発達に合わせて、園児が楽しめる体操や体を動かすゲームに取り組んでいます。
発達がゆっくりな子もいますが、そのときはできるだけその子に合わせた範囲での活動などを行っています。
子どもたちには、これからも楽しみながらどんどん体を動かして、すくすくと成長してほしいと思います。

※かみむらスポーツ教室のホームページはこちらです。

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